二次健康診断等給付 — 過労死を防ぐための給付

血圧・血中脂質・血糖・腹囲(BMI)の4項目すべてに異常の所見。脳・心臓疾患の症状がないこと。年1回の二次健診と特定保健指導を現物給付で受けられます。

編集・検証: 社労士スタディ編集部 公式情報: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター 制作・検証方針

労災保険で唯一「災害が起きる前」に働く給付です。過労死予防を目的とした制度で、4項目すべてに異常という要件が繰り返し問われます。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

今日は二次健康診断等給付。
労災保険の給付の中で、これだけは毛色が違うの。
何が違うか、想像がつく?

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

健康診断……あっ、ケガしてない! まだ何も起きてない人がもらう給付なんだ!

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

そのとおり。
災害が起きてしまってからではなく、脳血管疾患や心臓疾患を未然に防ぐための給付です。
過労死予防が狙いね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

支給要件を教えてください。
健康診断を受ければ誰でも、というわけではないですよね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

もちろん。
労働安全衛生法に基づく健康診断、いわゆる一次健康診断で、①血圧の検査、②血中脂質検査、③血糖検査、④腹囲の検査またはBMIの測定、この4項目のすべてに異常の所見があると診断されたときです。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

4つ全部!? 3つだけならダメなの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

ダメ。
「いずれかに」ではなく「すべてに」。
ここが最頻出の引っかけよ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

……先生、もう一つ要件があるはずです。
すでに脳・心臓疾患を発症している人は?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

いい指摘ね。
脳血管疾患または心臓疾患の症状を有していないことが必要。
すでに発症しているなら、それはもう予防ではなく治療の話だから。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

……なるほど。
「なる前に止める」ための給付なんだね。
中身はどんなことをするのかな。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

ましろさん、そのひと言が制度の本質。
中身は2つ。二次健康診断と特定保健指導です。
二次健康診断は1年度につき1回、特定保健指導は二次健康診断ごとに1回。

どちらも現物給付で、労災病院や都道府県労働局長が指定した健診給付病院等で無料で受けられます。
請求は二次健康診断を受けた日から3か月以内に、健診給付病院等を経由して所轄都道府県労働局長へ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

……ところで、給付名に「補償」も付いていませんし、「等給付」ですね。
通勤災害でも受けられるのですか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

受けられません。
あくまで業務上の脳・心臓疾患の予防が目的だから、通勤災害とは無関係。
それから、特別加入者にも二次健康診断等給付は行われないわ。

確認クイズ

二次健康診断等給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 一次健康診断において、血圧・血中脂質・血糖・腹囲(またはBMI)の4項目のうち1つでも異常の所見があれば支給される。
  2. 4項目すべてに異常の所見があると診断され、かつ脳血管疾患・心臓疾患の症状を有していない場合に支給される。
  3. 二次健康診断は、1年度につき3回まで受けることができる。
  4. 二次健康診断等給付は、通勤災害に関しても行われる。
こたえを見る

正解: 2. 4項目すべてに異常の所見があると診断され、かつ脳血管疾患・心臓疾患の症状を有していない場合に支給される。

正解は選択肢2。4項目「すべて」に異常の所見があること、かつ脳血管疾患・心臓疾患の症状を有していないことが要件です。選択肢1は「1つでも」としている点が誤りで、すべてに異常の所見が必要です。選択肢3も誤りで、二次健康診断は1年度につき1回に限られます。選択肢4も誤りで、この給付は業務上の脳・心臓疾患の予防を目的とするもので、通勤災害には関係しません。

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