遺族(補償)等給付 — 受給資格者・受給権者・転給

妻に年齢要件はない、55歳以上60歳未満は若年停止、そして労災独自の「転給」。3つの言葉を区別できれば、この論点は取れます。

編集・検証: 社労士スタディ編集部 公式情報: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター 制作・検証方針

労働者が亡くなったときの給付です。受給資格者・受給権者・転給という3つの言葉を区別できるかどうかが、この論点の勝負どころです。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

遺族(補償)等給付には年金と一時金があります。
まず年金から。
ここで区別してほしい言葉が2つ。
受給資格者と受給権者です。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

受給資格者は「資格を持っている人」、受給権者は「実際に受け取る権利がある人」。
資格者のうち最先順位の者が権者、ということですか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そのとおり。
順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順。
全員が受給資格者になれるわけではなく、生計維持要件と、年齢または障害の要件を満たす必要があります。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

年齢の要件? 家族なら誰でもいいんじゃないの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

いいえ。
子と孫は18歳到達年度の末日まで、または一定の障害の状態にあること。
父母・祖父母は60歳以上または一定障害。
兄弟姉妹は18歳到達年度末まで、60歳以上、または一定障害です。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

夫は60歳以上または一定障害。
……妻は?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

妻には年齢要件も障害要件もありません。
生計維持関係さえあれば受給資格者です。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

……妻だけ要件がないの? それって、なんだか時代を感じる決まりだね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

ましろさんの感覚は正しいわ。
試験では「妻に年齢要件はない」がそのまま問われます。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

ちょっと待って。
55歳のお父さんは? 60歳未満だからダメ?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そこに若年停止という仕組みがあるの。
55歳以上60歳未満の夫・父母・祖父母・兄弟姉妹は、受給資格者にはなるけれど、60歳になるまで支給が停止されます。

そして労災保険独自の制度が転給。
受給権者が再婚などで失権した場合、権利が次順位の受給資格者に移ります。
公的年金にはない仕組みよ。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

えっ、権利が引き継がれるの!? 年金って普通、その人が死んだら終わりじゃないの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そこが労災の特徴。
だから「転給といえば労災」と覚えて。
年金額は遺族の数に応じて増え、遺族1人なら給付基礎日額の153日分、4人以上で245日分。
受給資格者が一人もいない場合などには、給付基礎日額の1000日分の一時金が支給されます。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

残された家族の人数で変わるんだ……ちゃんと生活を見てくれてるんだね。

確認クイズ

遺族(補償)等給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 遺族(補償)等年金の受給権者が失権した場合、同順位者がいなければ年金はそこで終了する。
  2. 労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた妻は、年齢や障害の要件を問わず受給資格者となる。
  3. 夫は、労働者の死亡当時の年齢が55歳未満であっても受給資格者となる。
  4. 遺族(補償)等年金の額は、遺族の数にかかわらず一定である。
こたえを見る

正解: 2. 労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた妻は、年齢や障害の要件を問わず受給資格者となる。

正解は選択肢2。妻には年齢要件も障害要件もなく、生計維持関係があれば受給資格者となります。選択肢1は誤りで、労災保険には転給の制度があり、受給権者が失権すれば次順位の受給資格者に受給権が移ります。選択肢3も誤りで、夫は60歳以上または一定障害(55歳以上60歳未満は若年停止付きの受給資格者)であることが必要です。選択肢4も誤りで、年金額は遺族の数に応じて増額されます。

戸倉ジャスミン、深見つむぎがゲームセンターで協力プレイを楽しむ様子

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