基本手当を残したまま早く再就職すると、残りは消えてしまう。それでは早期就職の意欲が削がれます。そこで登場するのが就業促進手当です。
ふと思ったんだけど。
150日分もらえる人が、30日で再就職しちゃったら…残りの120日分は?
消えるわ。
失業していないのだから、当然ね。
えーっ! じゃあ、ギリギリまで粘って全部もらったほうが得じゃん?
…ジャスミンさん、それは制度の趣旨に反するでしょう。
でも、経済的にはそう考える人が出てもおかしくないわね。
つむぎさんの指摘が本質よ。
その歪みを正すのが就業促進手当。
早く決めた人にボーナスを出して「粘り得」をなくすの。
…早く決めたほうが得になるように、制度を変えたんだ。
そういうこと。
中心が再就職手当ね。
要件は、①1年を超えて引き続き雇用されることが確実な安定した職業に就いた(または事業を開始した)②支給残日数が所定給付日数の3分の1以上③待期7日が経過した後の就職④離職前の事業主に再び雇用されたものでない⑤過去3年以内に再就職手当等を受けていないこと。
ちょっと待って。
給付制限がある人が、待期のあとすぐ就職したら?
いいところを突いたわね。
給付制限がある場合、待期満了後1か月間は、公共職業安定所または職業紹介事業者の紹介による就職でなければ再就職手当は出ないの。
額は基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率。
給付率は残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上3分の2未満なら60%。
早く決めるほど率が高いのよ。
もう一つ、就業促進定着手当というものもありますね。
再就職手当をもらった人が、その職場に引き続き6か月以上雇用され、再就職後の賃金が離職前より下がっていた場合に、賃金の低下分に応じて支給されるわ。
…お給料が下がっても、思い切って踏み出した人を、置き去りにしないんだ。
そのとおりよ。
なお、かつてあった就業手当――安定しない職に就いた場合の給付ね――は法改正で廃止されているわ。
古いテキストには残っているから、受験年度の改正情報を必ず確認して。
確認クイズ
再就職手当に関する記述として、正しいものはどれか。
- 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることが、支給要件の一つである
- 待期期間中に就職した場合であっても、安定した職業であれば支給される
- 離職前の事業主に再び雇用された場合でも、1年を超えて雇用されることが確実であれば支給される
- 再就職手当の給付率は、支給残日数の多寡にかかわらず一律50%である
こたえを見る
正解: 1. 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることが、支給要件の一つである
正解は選択肢1。再就職手当は支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることが要件。選択肢2は誤りで、待期7日が経過した後の就職でなければならない。選択肢3も誤りで、離職前の事業主に再び雇用されたものは対象外。選択肢4も誤りで、給付率は残日数3分の2以上で70%、3分の1以上3分の2未満で60%と段階がある。