労働保険料は「まず見込みで前払い、あとで精算」という独特の仕組みです。その前払いにあたるのが概算保険料。年度更新と延納のルールを固めます。
先生、労働保険料は年に一度まとめて納めるのですか。
そう。
しかも先払い。概算保険料といって、その保険年度に支払う見込みの賃金総額に保険料率を乗じた額を、先に納めます。
見込み!? まだ払ってない給料で計算するの? 当たるわけないじゃん。
だから後で精算するの。
翌年度に確定保険料を計算して、多ければ返す、足りなければ追加で納める。
この2つを同時に行う手続を年度更新といいます。
……概算で払っておいて、あとで清算。
旅行の積立金みたいだね。
いい喩えね。年度更新の期間は、毎年6月1日から7月10日まで。
前年度の確定保険料の申告・納付と、当年度の概算保険料の申告・納付を、この期間に一緒に行います。
6月1日から40日以内、と言い換えても同じですね。
そのとおり。
保険年度の中途に保険関係が成立した場合は、成立の日から50日以内。
有期事業の場合は成立の日から20日以内です。
継続は50日、有期は20日。
有期事業は短期で終わってしまうから期限も短い、と理屈で覚えれば混ざりませんね。
いい整理ね。
さて、まとめて払うのが大変な会社もあるでしょう。
だから延納、つまり分割納付が認められています。
最大3期。
第1期が4月1日から7月31日、第2期が8月1日から11月30日、第3期が12月1日から翌年3月31日。
納期限はそれぞれ7月10日、10月31日、翌年1月31日です。
誰でも延納できるのですか。
継続事業の場合、概算保険料の額が40万円以上であること。
ただし労災保険か雇用保険の一方のみが成立している事業なら20万円以上。
または労働保険事務組合に労働保険事務を委託していれば、金額を問わず延納でき、しかも納期限が延長されます。
事務組合に頼めば金額関係なし! それはお得だね。
そう。
最後に一つ注意。
保険年度の中途に保険関係が成立した事業で、10月1日以後に成立したものは延納できません。
残り期間が短いからね。
確認クイズ
概算保険料および年度更新に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 継続事業の年度更新は、毎年6月1日から7月10日までの間に行う。
- 概算保険料は、保険年度の初日から20日以内に申告・納付しなければならない。
- 概算保険料の延納は、最大4期に分割することができる。
- 保険年度の中途において10月1日以後に保険関係が成立した事業も、概算保険料を延納することができる。
こたえを見る
正解: 1. 継続事業の年度更新は、毎年6月1日から7月10日までの間に行う。
正解は選択肢1。年度更新は毎年6月1日から7月10日まで(6月1日から40日以内)に、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料をあわせて申告・納付します。選択肢2は誤りで、20日以内は有期事業の場合の期限です。選択肢3も誤りで、延納は最大3期です。選択肢4も誤りで、10月1日以後に保険関係が成立した事業は延納できません。