労働保険料には6つの種類があります。その中心が一般保険料。賃金総額に何を含め、何を含めないかが、択一でも選択でも狙われます。
労働保険料は6種類。
一般保険料、第1種・第2種・第3種の特別加入保険料、印紙保険料、そして特例納付保険料です。
6つ!? うぅ……覚えられる気がしない。
……ジャスミンさん、特別加入保険料が3つあるだけだよ。
第1種は中小事業主等、第2種は一人親方等、第3種は海外派遣者。
特別加入の3類型と対応してるから、実質は一般・特別加入・印紙・特例の4グループ。
つむぎさん、整理が早いわね。
今日の主役は一般保険料。
計算式はシンプルよ。賃金総額 × 一般保険料率。
これだけ。
一般保険料率の中身は、労災保険率と雇用保険率の合計ですね。
そう。
両方の保険関係が成立していれば合計、労災だけなら労災保険率、雇用だけなら雇用保険率です。
保険料率って、どの会社も同じなのかな。
いいえ。労災保険率は事業の種類ごとに定められます。
過去の災害率などを考慮して厚生労働大臣が定める。
危険な仕事ほど高くなる仕組みね。
負担は、労災保険率のぶんは事業主が全額。雇用保険率のほうは原則として労使折半だけれど、雇用保険二事業に充てる部分は事業主だけが負担するから、事業主負担のほうが大きいの。
折半「が原則」であって、完全な折半ではない。
そこは正確に押さえます。
では賃金総額。
事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額です。
名称のいかんを問わず、労働の対償として支払うもの。
……通勤手当は? あれって交通費の実費みたいなものだけど。
含まれます。
労働の対償として支払われる手当だから。
賞与、住宅手当、時間外手当、休業手当、有給休暇中の賃金も入る。
逆に入らないのは、退職金、結婚祝金、災害見舞金、休業補償費、役員報酬、解雇予告手当、出張旅費などの実費弁償。
労働の対償ではないもの、と押さえて。
先生、建設業のように賃金総額を正確に把握しにくい事業はどうするのですか。
請負による建設の事業、立木の伐採の事業などには特例があります。
請負金額に労務費率を乗じて賃金総額とみなす。
実務でも頻出よ。
確認クイズ
一般保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 一般保険料の額は、賃金総額に一般保険料率を乗じて算定する。
- 労災保険率は、事業の種類にかかわらず全事業一律である。
- 雇用保険率による保険料は、必ず事業主と労働者が折半して負担する。
- 退職金は、労働の対償として支払われるものであるため賃金総額に含まれる。
こたえを見る
正解: 1. 一般保険料の額は、賃金総額に一般保険料率を乗じて算定する。
正解は選択肢1。一般保険料は「賃金総額 × 一般保険料率」で算定します。選択肢2は誤りで、労災保険率は事業の種類ごとに、過去の災害率等を考慮して定められます。選択肢3も誤りで、労使折半は原則ですが、雇用保険二事業に充てる部分は事業主のみが負担するため、事業主負担のほうが大きくなります。選択肢4も誤りで、退職金は賃金総額に含まれません。