ここから労働保険徴収法。労災保険と雇用保険の「お金の入口」を一本化した法律です。まずは保険関係がいつ成立し、いつ消滅するのかから。
労災保険法と雇用保険法は「給付」の法律。
それに対して労働保険徴収法は「保険料」の法律。
両制度の保険関係の成立と保険料の徴収を、一本化して定めています。
つまり、給付は別々、料金の請求書は一枚ってこと?
うまい喩え……。
では保険関係の成立から。
事業主が届出をした日に成立するのですか。
いいえ。
ここが最重要。
保険関係は、適用事業が開始された日、または適用事業に該当するに至った日に、法律上当然に成立します。
届出は関係ありません。
……届出を忘れてても、保険関係はもう始まってるってことなのぉ?
そう。
だからこそ、成立届を出していない期間中の事故については、労災保険法の費用徴収が待っている。
前回の話とつながったでしょう?
では保険関係成立届の期限は。
保険関係が成立した日から10日以内に、所轄労働基準監督署長または公共職業安定所長へ。
そして概算保険料の申告・納付は、保険関係成立の日から50日以内です。
10日と50日。
届出が先、お金は後、ということですね。
そのとおり。
消滅のほうは簡単よ。
事業が廃止され、または終了した日の翌日に消滅します。
届出は不要。
始まるのも自動、終わるのも自動なんだね。
ええ。
ただし暫定任意適用事業は別で、任意加入の申請をして厚生労働大臣の認可があった日に成立します。
さて最後に一元適用事業と二元適用事業。
原則はすべて一元適用で、労災と雇用の保険関係を一つの労働保険の保険関係として扱う。
でも、労災と雇用で適用の仕組みが噛み合わない業種があるの。
それが二元適用事業ですね。
都道府県・市町村の行う事業、港湾運送の行為を行う事業、農林水産の事業、建設の事業。
完璧。
「都・港・農林水産・建設」で覚えておいて。
ここは絶対に落とせないわ。
確認クイズ
労働保険の保険関係に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 保険関係成立届は、保険関係が成立した日から10日以内に提出しなければならない。
- 労働保険の保険関係は、保険関係成立届を提出した日に成立する。
- 建設の事業は一元適用事業である。
- 適用事業が廃止された場合、保険関係を消滅させるには消滅届の提出が必要である。
こたえを見る
正解: 1. 保険関係成立届は、保険関係が成立した日から10日以内に提出しなければならない。
正解は選択肢1。保険関係成立届は成立の日から10日以内に提出します(概算保険料の申告・納付は50日以内)。選択肢2は誤りで、保険関係は適用事業が開始された日に法律上当然に成立し、届出は成立要件ではありません。選択肢3も誤りで、建設の事業は二元適用事業です。選択肢4も誤りで、事業の廃止・終了の日の翌日に当然に消滅し、消滅届は不要です。