26条の休業手当と27条の保障給は、隣り合っているぶん混同しやすい論点です。平均賃金の算定方法もここで固めます。
27条。出来高払制の保障給。
出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。
出来高払いって、売った数だけ給料が増えるやつだよね?
そう。
成果が出ない月に収入がゼロになったら生活できないでしょう。
だから最低ラインを保障させる規定なの。
先生、質問があります。
26条の休業手当は「6割」と条文にありますが、27条の保障給には率の定めがありませんよね。
そこが最大の違い。
27条には具体的な率が書かれていないの。
行政解釈では休業手当に準じた程度が望ましいとされるけれど、条文上の数字はないわ。
マジで!? 「6割」ってつい書いちゃいそう…
引っかけの定番よ。
27条は率の定めなし、26条は6割。
呪文のように。
それから…平均賃金って、さっきからずっと出てくるの。
労基法のあちこちで基準になる金額ね。
12条。平均賃金は、算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額。
分母は「総日数」、つまり暦日数であって、労働日数ではないんですね。
そう。
だから休日が多いと平均賃金は下がる。
それでは低くなりすぎる働き方があるから、最低保障が用意されているの。
最低保障?
日給制・時間給制・出来高払制などの場合、賃金総額を「労働した日数」で除した金額の100分の60を下回ってはならない。
分母が労働日数に変わって、その6割よ。
原則は暦日数で割り、最低保障は労働日数で割って6割。
高いほうを採る、と。
そのとおり。
そして賃金総額から除外するものが3つ。
臨時に支払われた賃金、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金、法令や労働協約に基づかない現物給与。
賞与は…3か月を超える期間ごとだから、除くの?
いい判断。
年2回の賞与は平均賃金の計算に入れないわ。
確認クイズ
平均賃金及び出来高払制の保障給に関する記述として正しいものはどれか。
- 出来高払制の保障給は、平均賃金の100分の60以上でなければならないと労働基準法に定められている。
- 平均賃金は、算定すべき事由の発生した日以前3か月間の賃金総額を、その期間の労働日数で除して算定するのが原則である。
- 平均賃金の算定に当たり、3か月を超える期間ごとに支払われる賞与は、賃金総額に算入しない。
- 平均賃金の算定期間に業務上の傷病による療養のための休業期間が含まれる場合、その期間も総日数に算入する。
こたえを見る
正解: 3. 平均賃金の算定に当たり、3か月を超える期間ごとに支払われる賞与は、賃金総額に算入しない。
正解は選択肢3です。3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は賃金総額から除外されます。選択肢1は誤りで、27条の保障給に条文上の率の定めはありません(「6割」は26条の休業手当)。選択肢2も誤りで、原則の分母は「総日数」すなわち暦日数です。選択肢4も誤りで、業務上の傷病による療養のための休業期間は、その日数と賃金を算定期間から控除します。