労働基準法の入口は第1条と第2条。数字は出てきませんが、以降のすべての条文を貫く考え方がここに書かれています。
今日から労働基準法よ。
まず1条を読むわ。
「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」。
「人たるに値する生活」…なんかカッコいい言い回し! 要は、人間らしく暮らせる条件にしろってこと?
そういうこと。
ストレートに言い換えるのが上手ね。
そして1条2項。
この法律で定める労働条件の基準は「最低のもの」。
だから当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならず、その向上を図るように努めなければならない。
先生、質問があります。
最低基準だと示されたことを口実に、今の条件を引き下げるのは禁止されている、という理解でいいですか。
そのとおり。
「法律がここまでは許すと言っているから下げよう」という理屈を、条文が正面から封じているの。
ふぇぇ〜…最低ラインが、逆に目標ラインにされちゃったら困るもんね。
まさにそれを防ぐ規定。
ここは択一で問われるわ。
2条は労使対等決定の原則ですね。労働条件は、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきもの。
そう。
しかも2条2項では、労使双方が労働協約・就業規則・労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない、と両方に義務を課しているの。
「対等」って書いてあっても、実際は雇う側のほうが強いじゃん?
だからこそ法が最低ラインを引く。
1条・2条は理念規定で罰則こそないけれど、全条文の背骨よ。
背骨…えへへ、そう言われると覚えやすいの。
確認クイズ
労働基準法1条2項に関する記述として正しいものはどれか。
- この法律で定める労働条件の基準は標準的なものであり、これを上回る労働条件を定めることはできない。
- この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならない。
- この法律で定める基準に達しない労働条件であっても、労使が合意していれば有効である。
- 労働条件の向上を図る努力義務は、使用者のみに課されている。
こたえを見る
正解: 2. この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならない。
正解は選択肢2で、1条2項そのままです。選択肢1は誤りで、基準は「最低のもの」ですから上回る定めは当然に可能です。選択肢3も誤りで、13条により基準に達しない部分は無効となり、労働基準法の基準が適用されます。選択肢4も誤りで、条文は「労働関係の当事者」、つまり労使双方に向上の努力を求めています。