19条は「解雇できない時期」を定める規定です。解雇そのものの有効性(労働契約法16条)とは別問題である点に注意しましょう。
19条は解雇制限。
時期による制限が2つあるわ。
1つは業務上の負傷・疾病の療養のために休業する期間とその後30日間。
もう1つは産前産後の女性が65条により休業する期間とその後30日間ですね。
「その後30日間」もダメなんだ! 復帰した直後に切られたらキツいもんね。
療養や出産で弱っているときに職を失わせない、という趣旨よ。
あの…業務上のケガでも、休まずに働いていたら?
核心を突いたわね。
条文は「療養のために休業する期間」。
休業していなければ、19条の解雇制限はかからないの。
えっ、通院しながら働いてたら守られないの?
19条の制限としては、ね。
もちろん解雇には別途、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要よ。
19条は「時期」の話だと切り分けて。
例外は2つ。打切補償を支払う場合と、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合。
打切補償は81条。
療養開始後3年を経過しても傷病が治らないとき、平均賃金の1200日分を支払えば以後の補償を打ち切ることができ、解雇制限も外れるわ。
1200日分…すごい額なの。
簡単には使えない仕組みね。
そしてここが最大の勝負どころ。
天災事変等の場合は行政官庁の認定が必要だけれど、打切補償の支払いには認定が要らないの。
20条の解雇予告除外認定と混同しないように、ですね。
そのとおり。
「打切補償=認定不要」。
ここだけは絶対に落とさないで。
確認クイズ
解雇制限(19条)に関する記述として誤っているものはどれか。
- 労働者が業務上負傷し、療養のため休業する期間及びその後30日間は、原則として解雇することができない。
- 産前産後の女性が65条の規定により休業する期間及びその後30日間は、原則として解雇することができない。
- 使用者が打切補償を支払う場合、解雇制限は解除されるが、あらかじめ行政官庁の認定を受けなければならない。
- 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合には、行政官庁の認定を受けて解雇することができる。
こたえを見る
正解: 3. 使用者が打切補償を支払う場合、解雇制限は解除されるが、あらかじめ行政官庁の認定を受けなければならない。
誤りは選択肢3です。打切補償の支払いによって解雇制限が外れる場合、行政官庁の認定は必要ありません。認定が必要なのは選択肢4の「天災事変その他やむを得ない事由」の場合です。選択肢1・2・4は正しい記述です。