16条・17条・18条は、お金の力で労働者を職場に縛りつけることを禁じる規定群です。趣旨で束ねると忘れません。
「1年以内に辞めたら違約金50万円」みたいな契約、聞いたことある! あれってアリなの?
ナシよ。
16条、賠償予定の禁止。
労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
ここで注意すべきは、現実に生じた損害の賠償請求まで禁止されているわけではない、という点ですよね。
鋭いわね。
禁じられているのは「あらかじめ金額を決めておくこと」。
実際に発生した損害を実額で請求すること自体は禁止されていないの。
金額を先に決められちゃうと…辞めたくても辞められなくなるから?
そこ。
16条から18条までは全部「人身拘束の防止」というテーマでつながっているのよ。
17条は前借金…お金を貸して、給料から天引きするやつ?
前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と、賃金を相殺してはならない。
借金で労働者を縛る仕組みを断ち切る規定ね。
労働者が自ら申し込んだ福利厚生の貸付けを任意に返済するのは、相殺には当たりませんでしたね。
そう。
「労働することを条件とする」前貸しがターゲットなの。
18条の強制貯金は…お給料を会社が預かっちゃうこと?
労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。
これが強制貯金の禁止。
じゃあ社内預金って全部ダメなの?
労働者の委託を受けて行う任意の貯蓄金管理は例外的に認められるわ。
ただし労使協定を締結して行政官庁に届け出ること。
そして使用者が自ら預かる社内預金には利子を付けなければならない。
労働者から返還の請求があったときは、遅滞なく返還する義務もありますね。
確認クイズ
賠償予定の禁止(16条)に関する記述として正しいものはどれか。
- 使用者は、労働者の故意によって現実に生じた損害についても、一切賠償を請求することができない。
- 使用者は、労働契約の不履行についてあらかじめ違約金の額や損害賠償の額を定める契約をしてはならない。
- 労働者本人ではなく身元保証人との間であれば、違約金を定める契約をすることができる。
- 損害賠償額の予定は、その額が平均賃金の3か月分以内であれば認められる。
こたえを見る
正解: 2. 使用者は、労働契約の不履行についてあらかじめ違約金の額や損害賠償の額を定める契約をしてはならない。
正解は選択肢2です。16条が禁じるのは、金額をあらかじめ「予定」しておくことです。選択肢1は誤りで、現実に生じた損害について実額で賠償を請求することまでは禁じられていません。選択肢3も誤りで、16条は親権者や身元保証人との間の違約金契約も禁止しています。選択肢4のような金額基準は条文に存在しません。