5条から7条は、労働者の人格的自由を守る規定です。罰則の重さと、例外の切り分けが問われます。
先生…5条って「強制労働の禁止」。
暴行、脅迫、監禁…怖い言葉が並んでるの。
条文はこう。
「暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない」。強制労働の禁止には、労基法で最も重い罰則がついているわ。
最も重い!? どのくらい?
1年以上10年以下の拘禁刑、または20万円以上300万円以下の罰金。
労基法の罰則で「以上」から始まるのはここだけよ。
手段が限定列挙ではなく「その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段」と包括的に書かれている点も要注意ですね。
そう。
長期の労働契約や強制貯金も拘束手段になり得る。
だから14条や18条とセットで理解して。
6条の中間搾取って、要はピンハネ禁止ってこと?
ずばりね。
「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」。
これが中間搾取の排除。
先生、労働者派遣は中間搾取に当たらないのですか。
当たらないの。
派遣元は派遣労働者と労働契約を結ぶ当事者だから、「他人の就業に介入」する第三者ではないでしょう。
職業安定法に基づく有料職業紹介は「法律に基いて許される場合」に当たるわ。
「業として」…1回だけならセーフなのかなぁ。
反復継続の意思があれば、1回でも「業として」に当たり得る。
回数で決まる話ではないのよ。
7条は選挙のやつだね! 投票に行きたいって言われたら断れない。
公民権行使の保障ね。
労働時間中に公民としての権利の行使や公の職務の執行に必要な時間を請求されたら、拒めない。
ただし、妨げがない限り、請求された時刻を変更することはできるわ。
そして、その時間を有給とするか無給とするかは当事者の定めに委ねられる、でしたね。
そこまで言えれば完璧。
「拒めない」けれど「有給とは限らない」。
ここが答案の分かれ目よ。
確認クイズ
公民権行使の保障(7条)についての記述として正しいものはどれか。
- 使用者は、労働者が公民権行使のために請求した時刻を、いかなる場合も変更することができない。
- 使用者は、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、労働者が請求した時刻を変更することができる。
- 使用者は、公民権行使に要した時間について、必ず賃金を支払わなければならない。
- 公民権行使の保障は選挙権の行使に限られ、公の職務の執行は含まれない。
こたえを見る
正解: 2. 使用者は、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、労働者が請求した時刻を変更することができる。
正解は選択肢2で、7条ただし書のとおりです。選択肢1は誤りで、妨げがない限り時刻の変更は認められます。選択肢3も誤りで、有給とするか無給とするかは当事者の定めに委ねられます。選択肢4も誤りで、条文は「選挙権その他公民としての権利」と「公の職務」の双方を対象としています。