労基法が誰に適用されるのかは、すべての論点の前提です。9条・10条・116条を丁寧に押さえましょう。
9条。
「労働者とは、職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」。
シンプル! 事業に使われてて、賃金をもらってる人ってことだね。
「事業に使用される」は使用従属関係があること、「賃金を支払われる」は労務の対償があること。
この2つが揃って労働者、ですね。
そのとおり。
だから契約書の表題が請負でも委任でも、実態が使用従属関係なら労働者。
名称ではなく実態で判断するの。
名前じゃなくて中身…ましろ、その考え方すき。
使用者の定義はもっと広いわ。
10条。
事業主、事業の経営担当者、その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者。
ちょっと待って。
じゃあ部長とか課長も使用者になるの?
権限を与えられて労働者に関する事項を行っていれば、その限りで使用者。
だから同じ人が、ある場面では労働者、別の場面では使用者になり得るの。
つまり、肩書きではなく実質的な権限で判断する、という理解で合っていますか。
合ってる。
名札ではなく、実質の権限ね。
適用されない人もいるのかな?
116条。
同居の親族のみを使用する事業と、家事使用人には適用しない。
船員法の船員には、総則など一部を除いて適用しないわ。
家事使用人でも、家事代行会社に雇われて顧客宅で働く人は…?
会社に使用される労働者だから、労基法が適用されるわ。
適用除外になるのは、家庭に直接雇われている場合。
ここも定番の引っかけよ。
確認クイズ
労働基準法上の労働者・使用者に関する記述として誤っているものはどれか。
- 労働者に当たるかどうかは、契約の形式ではなく、使用従属関係の有無など実態によって判断される。
- 使用者には、事業主のほか、事業の経営担当者や、労働者に関する事項について事業主のために行為をする者が含まれる。
- 同居の親族のみを使用する事業には、労働基準法は適用されない。
- 家事代行会社に雇用され、顧客の家庭で就労する者は、家事使用人として労働基準法の適用が除外される。
こたえを見る
正解: 4. 家事代行会社に雇用され、顧客の家庭で就労する者は、家事使用人として労働基準法の適用が除外される。
誤りは選択肢4です。116条2項の適用除外となる「家事使用人」は、家庭に直接使用される者を指します。家事代行会社に雇用されている者は、その会社の労働者として労働基準法が適用されます。選択肢1から3は正しい記述です。