雇入れ時教育は全業種・全労働者が対象。特別教育は記録を3年保存、職長教育は業種限定。教育の「対象と範囲」を切り分けます。
先生、バイトを始めた友達が「初日にビデオを見せられた」って言ってたんだけど、あれも法律なの?
立派な法律の話よ。雇入れ時の安全衛生教育ね。
事業者は労働者を雇い入れたとき、その従事する業務に関する安全衛生教育を行わなければならないの。
対象は正社員だけですか。
いいえ。
業種・規模を問わず、パートタイム労働者やアルバイトを含むすべての労働者が対象。
ここは絞られないわ。
短い期間のお手伝いでも…?
雇い入れる以上は必要よ。
内容は、機械や原材料の危険性・有害性と取扱い方法、安全装置や保護具の取扱い、作業手順、作業開始時の点検、疾病の原因と予防、整理整頓、事故時の応急措置と退避など。
そして作業内容変更時の教育。
配置転換などで業務が変わったときも、同じ内容の教育が必要になるわ。
十分な知識と技能がある者について、省略はできますか。
できるわ。
当該事項について十分な知識・技能を有すると認められる労働者は、その事項の教育を省略できるの。
危ない作業だと、もっと重い教育があるんだよね?
特別教育ね。
危険・有害な業務で省令に定めるものに就かせるときは、その業務に関する特別の教育を行わなければならない。
ここが数字のポイント。
特別教育を行ったときは、受講者や科目等の記録を作成して3年間保存する義務があるの。
雇入れ時教育に法令上の保存義務がないのと対比して覚えて。
危ないほど、記録も残すんだね…
職長教育というのもありましたね。
職長等の教育。
新たに職長など、作業中の労働者を直接指導・監督する者になった人が対象よ。
建設業、製造業、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業など、政令で定める業種に限られるわ。
内容は、作業方法の決定と労働者の配置、労働者に対する指導監督の方法など。
なお、対象から作業主任者は除かれる点に注意して。
「新しくキャプテンになった人向けの研修」だ!
いい喩え。
最後に就業制限。
クレーンの運転など政令で定める業務は、免許を受けた者や技能講習を修了した者などでなければ就かせてはならない。
その業務に従事するときは、資格を証する書面を携帯する義務もあるわ。
教育の費用と時間の扱いは。
安全衛生教育は事業者の責任で行うものだから、費用は事業者負担。
所定労働時間内に行うのが原則で、時間外に行えば割増賃金の対象になるわ。
確認クイズ
安全衛生教育に関する記述として、正しいものはどれか。
- 雇入れ時の安全衛生教育は、常時50人以上の労働者を使用する事業場においてのみ実施すればよい。
- 雇入れ時の安全衛生教育の対象は正社員に限られ、パートタイム労働者は含まれない。
- 特別教育を行ったときは、受講者・科目等の記録を作成し、3年間保存しなければならない。
- 職長等の教育は、業種を問わずすべての事業場において行わなければならない。
こたえを見る
正解: 3. 特別教育を行ったときは、受講者・科目等の記録を作成し、3年間保存しなければならない。
特別教育の記録は3年間保存する必要があり、選択肢3が正解です。雇入れ時教育は業種・規模を問わず、パート・アルバイトを含むすべての労働者に必要なので選択肢1・2は誤り。職長等の教育は建設業・製造業など政令で定める業種に限られるため選択肢4も誤りです。