特定機械等の製造許可は都道府県労働局長、危険な化学物質の製造許可は厚生労働大臣。「誰が許可するか」の入れ替えが定番の引っかけです。
先生、機械と化学物質の規制は、許可権者がいろいろ出てきて混乱します。
そこを整理するのが今日の目的ね。
まず機械から。
特に危険な作業を必要とする機械等を特定機械等といって、ボイラー、第一種圧力容器、一定規模以上のクレーンや移動式クレーン、エレベーター、建設用リフト、ゴンドラなどが該当するわ。
大きくて重いやつばっかりだ。
そう。
特定機械等を製造しようとする者は、あらかじめ都道府県労働局長の許可を受けなければならない。
製造したら検査を受け、合格すると検査証が交付されるの。
検査証を受けていない特定機械等は使用できないし、検査証がなければ譲渡・貸与もできない。
有効期間の更新には性能検査が必要よ。
…車の車検みたいなもの?
感覚としては近いわ。
特定機械等以外でも、政令で定める機械等は、厚生労働大臣が定める規格や安全装置を具備しなければ譲渡・貸与・設置してはならない。
これが譲渡等の制限。
では、化学物質のほうはどうなりますか。
危険度で3段階よ。
一番強いのが製造等の禁止。
黄りんマッチ、ベンジジン、石綿など重度の健康障害を生ずる物は、製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止。
試験研究のため厚生労働大臣の許可を受けた場合だけが例外ね。
作ることすら禁止! 相当ヤバいやつなんだ。
次が製造の許可。
ジクロルベンジジン等、重度の健康障害を生ずる「おそれ」のある物を製造しようとする者は、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けるの。
機械は都道府県労働局長で、化学物質は厚生労働大臣…!
そこよ。
「特定機械等の製造許可=都道府県労働局長」「製造許可物質=厚生労働大臣」。
この入れ替えが定番の引っかけ。
ここは絶対に落とせないわ。
あとの1段階は…?
情報を伝える規制ね。
危険・有害な物を譲渡・提供する者は、容器や包装に名称、人体に及ぼす作用、取扱い上の注意、絵表示などを表示しなければならない。
いわゆるラベル表示。
さらに通知対象物については、成分と含有量、物理的・化学的性質、応急措置なども文書で通知する。
これがSDS、安全データシートよ。
「これは危ない、こう扱え」って紙を必ず付けるんだね。
そして受け取った事業者は、その物についてリスクアセスメントを行う。
危険性又は有害性等の調査ね。
対象物については努力義務ではなく義務、という点に注意して。
確認クイズ
機械等・化学物質の規制に関する記述として、正しいものはどれか。
- 特定機械等を製造しようとする者は、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
- 製造の許可に係る物質を製造しようとする者は、あらかじめ都道府県労働局長の許可を受けなければならない。
- 石綿等の製造等禁止物質は、試験研究のため厚生労働大臣の許可を受けた場合を除き、製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止される。
- 通知対象物を譲渡・提供する者は、容器へのラベル表示を行えば足り、文書による通知は不要である。
こたえを見る
正解: 3. 石綿等の製造等禁止物質は、試験研究のため厚生労働大臣の許可を受けた場合を除き、製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止される。
製造等禁止物質は、試験研究のため厚生労働大臣の許可を受けた場合を除き、製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止されます(選択肢3が正解)。許可権者は、特定機械等の製造許可が都道府県労働局長、製造許可物質が厚生労働大臣なので、選択肢1・2は入れ替わっており誤りです。選択肢4も誤りで、通知対象物についてはラベル表示に加えSDS(文書)による通知が必要です。