建設現場では複数の会社の労働者が入り混じります。誰が全体を束ねるのか — 統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者・安全衛生責任者の三層構造を整理します。
今日は少し毛色が違うわ。
建設現場を思い浮かべて。
元請けがいて、下請けがいて、さらにその先もいる。
会社の違う労働者が同じ場所で働くの。
あー、近所の工事現場、いろんな会社のヘルメットが混ざってた!
そこで問題になるのが「誰が全体の安全を見るのか」。
各社がバラバラに管理していたら、上から物が落ちてくるような混在作業の危険は防げないの。
そこで、元請けに責任を集めるのですね。
そう。
まず元方事業者は、業種を問わず、関係請負人とその労働者が法令に違反しないよう必要な指導を行う。
違反していると認めるときは是正のため必要な指示をし、指示を受けた側はこれに従わなければならない。
元請けさんが「見張り役」になるの…?
建設業と造船業ではもっと踏み込むわ。
この2業種の元方事業者を特定元方事業者といって、混在作業による災害を防ぐ具体的措置が義務づけられるの。
協議組織の設置と運営、作業間の連絡調整、作業場所の巡視、関係請負人が行う安全衛生教育に対する指導援助、工程や機械設備の配置に関する計画の作成などね。
巡視の頻度に決まりはありますか。
作業場所の巡視は毎作業日に少なくとも1回。
ここは数字で問われるわ。
毎日!? けっこうハードだね。
現場は毎日変わるもの。
次に体制よ。
特定元方事業者は、元請けと関係請負人を合わせた労働者が常時50人以上になると統括安全衛生責任者を選任し、今の措置を統括管理させるの。
ただし、ずい道等の建設、圧気工法による作業、一定の橋梁の建設では常時30人以上で選任。
危険な工事ほど基準が下がるわ。
建設業では、さらに補佐役がいたと記憶しています。
元方安全衛生管理者ね。
統括安全衛生責任者を選任した事業者のうち建設業に属するものが選任し、統括管理すべき事項のうち技術的事項を管理させる。
その事業場に専属の者よ。
下請けの会社は、何もしないの?
するわ。
下請け側は安全衛生責任者を選任して、統括安全衛生責任者との連絡などを行わせるの。
上から統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理者、下から安全衛生責任者 — この三層で現場がつながる。
監督とコーチと、各チームのキャプテン! 連絡が通る形になってるんだ。
確認クイズ
元方事業者・特定元方事業者に関する記述として、正しいものはどれか。
- 特定元方事業者とは、すべての業種の元方事業者をいう。
- 特定元方事業者が行う作業場所の巡視は、毎週1回行えば足りる。
- 統括安全衛生責任者は、元方事業者の労働者のみで常時50人以上となる場合に選任する。
- 元方安全衛生管理者は、統括安全衛生責任者を選任した事業者のうち、建設業に属する事業を行うものが選任する。
こたえを見る
正解: 4. 元方安全衛生管理者は、統括安全衛生責任者を選任した事業者のうち、建設業に属する事業を行うものが選任する。
元方安全衛生管理者は、統括安全衛生責任者を選任した事業者で建設業に属する事業を行うものが選任し、統括管理すべき事項のうち技術的事項を管理します(選択肢4が正解)。特定元方事業者は建設業・造船業の元方事業者に限られるため選択肢1は誤り。作業場所の巡視は毎作業日に少なくとも1回なので選択肢2は誤り。統括安全衛生責任者の選任人数は、元方と関係請負人の労働者を合計して判断するため選択肢3も誤りです。