医師の立場から健康を守る産業医、小規模事業場の推進者、作業単位で選ぶ作業主任者。3つの守備範囲を切り分けます。
先生、産業医さんって、会社にいるお医者さんのこと?
いい質問。
常勤とは限らないわ。産業医は、業種を問わず常時50人以上の労働者を使用する事業場で選任が必要。
衛生管理者と同じラインね。
衛生管理者と同じ50人。
ここは揃っているのですね。
覚えやすいでしょう。
ただし常時1,000人以上の事業場、または一定の有害業務に常時500人以上従事させる事業場では「専属」の産業医が必要。
さらに常時3,000人を超えると2人以上を選任するわ。
産業医って何するの? 会社で診察?
治療ではなく健康管理よ。
健康診断の結果に意見を述べ、面接指導を行い、作業場を巡視する。
巡視は原則として少なくとも毎月1回ね。
そして強い権限がある。産業医の勧告権 — 労働者の健康を確保するため必要と認めるときは、事業者に勧告できるの。
会社に「こうしなさい」って言えるんだ…!
そう。
しかも事業者は、その勧告を尊重しなければならない。
医学的知見を経営判断に届かせる仕組みよ。
では、50人未満の事業場は誰も置かなくてよいのですか。
いいえ。
常時10人以上50人未満なら安全衛生推進者等を選任します。
安全管理者を選任すべき業種なら安全衛生推進者、その他の業種なら衛生推進者ね。
ここが引っかけ。
選任は同じく14日以内。
でも所轄労働基準監督署長への報告は不要で、代わりに氏名を作業場の見やすい箇所に掲示するなどして関係労働者に周知するの。
え、報告しなくていいんだ! そこ逆に覚えちゃいそう…
だから狙われるわ。
最後に作業主任者。
これは人数ではなく「作業」で決まるの。
事業場の規模とは無関係、ということですか。
そう。
高圧室内作業、ボイラーの取扱い、有機溶剤や特定化学物質を扱う作業、酸素欠乏危険場所での作業…政令で定める危険・有害な作業ごとに選任するの。
免許を受けた者、または技能講習を修了した者から選ぶ。
その作業をするなら、労働者が数人でも必要よ。
お店の大きさじゃなくて、「その料理を作るなら資格が要る」みたいな感じ?
上手な喩えね。
作業に紐づく資格者、それが作業主任者。
氏名と職務を掲示等で関係労働者に周知します。
確認クイズ
安全衛生推進者(衛生推進者)に関する記述として、正しいものはどれか。
- 常時50人以上の労働者を使用する事業場において選任しなければならない。
- 選任したときは、遅滞なく所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
- 選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、その氏名を関係労働者に周知しなければならない。
- 医師のうちから選任しなければならない。
こたえを見る
正解: 3. 選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、その氏名を関係労働者に周知しなければならない。
安全衛生推進者等の選任期限は14日以内で、氏名を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知します(選択肢3が正解)。選任義務があるのは常時10人以上50人未満の事業場なので選択肢1は誤り。所轄労働基準監督署長への報告は不要なので選択肢2も誤りです。選択肢4は産業医の要件と混同したもので誤りです。