離婚したとき、厚生年金の記録は分けられます。合意分割と3号分割の違いを、請求の仕方から理解しましょう。
今日は少し毛色の違う論点。
離婚時の年金分割よ。
年金を…分けるんですか? お金を半分こするみたいに?
厳密には、分けるのは年金額ではなく標準報酬の記録なの。
婚姻期間中の記録を移し替えるイメージね。
種類が2つありますよね。合意分割と3号分割。
まず合意分割。
当事者の合意、または裁判手続で按分割合を定めて請求するの。
話し合いがまとまらなければ家庭裁判所が定めることもできるわ。
按分割合の上限は2分の1で、それを超えて分けることはできないの。
3号分割のほうは、合意が要らないと聞きました。
そこが決定的な違い。
3号分割は、第3号被保険者だった人が単独で請求できるの。
相手の合意は不要で、按分割合は2分の1で固定よ。
その代わり対象が限定されていて、平成20年4月1日以後の第3号被保険者期間だけ。
それ以前の期間は合意分割で扱うしかないわ。
え、勝手に半分持っていけるってこと? つよい!
請求の期限も共通で、離婚等をした日の翌日から2年以内。
この2年は必ず覚えて。
分けてもらった記録は…その人の働いた期間として数えられるんですか?
とても鋭い質問。
年金額には反映されるけれど、被保険者期間としては算入されないの。
だから受給資格期間の10年にも、加給年金額の240月にも、カウントされないわ。
金額は増えるけど、期間は増えないのよ。
最後に脱退一時金についても確認させてください。
日本で働いた外国籍の人が、年金を受け取れないまま帰国するときの制度よ。
日本国籍を有しないこと、厚生年金の被保険者期間が6か月以上あること。
老齢厚生年金の受給資格期間を満たしていないこと。
そして、日本に住所を有しなくなった日から2年以内に請求すること。
また2年! 年金分割と同じだ。
まとめて覚えちゃお。
確認クイズ
離婚時の年金分割に関する記述として、正しいものはどれか。
- 3号分割の請求には、相手方である配偶者の合意が必要である。
- 3号分割による按分割合は、当事者の合意により2分の1を超えて定めることができる。
- 3号分割は、第3号被保険者であった者が単独で請求することができ、按分割合は2分の1である。
- 合意分割・3号分割ともに、請求は離婚等をした日の翌日から5年以内に行わなければならない。
こたえを見る
正解: 3. 3号分割は、第3号被保険者であった者が単独で請求することができ、按分割合は2分の1である。
正解は選択肢3。3号分割は第3号被保険者であった者が単独で請求でき、按分割合は2分の1に固定されています。選択肢1は誤りで、相手方の合意は不要である点が合意分割との最大の違いです。選択肢2も誤りで、3号分割の按分割合は2分の1で固定されており、当事者が変更することはできません(合意分割でも2分の1が上限です)。選択肢4も誤りで、請求期限は離婚等をした日の翌日から2年以内です。