年金編の最終回。複数の年金をどう調整するか、年金額はどう改定されるか、そして不服申立てと時効までを一気に仕上げます。
厚生年金保険法の最後よ。
まずは併給調整。
原則は「1人1年金」。
支給事由の異なる2つ以上の年金は、同時には受けられないの。
え、じゃあ老齢と遺族の両方に該当したら、どっちか選ぶの?
そのとおり、選択よ。
ただし例外がたくさんあるから、そちらのほうが実は重要なの。
同じ支給事由なら、1階と2階はセットで受けられますね。
老齢基礎と老齢厚生、障害基礎と障害厚生、遺族基礎と遺族厚生。
それが基本の3セット。
そして65歳以上になると、扉がさらに開くの。
老齢基礎年金と遺族厚生年金。
障害基礎年金と老齢厚生年金。
障害基礎年金と遺族厚生年金。
この3つの組合せが可能になるわ。
…1階を自分の年金で固めて、2階を状況で選べるようにする感じ、なんですね。
年金額の改定についても教えてください。マクロ経済スライドという言葉が難解です。
年金額は毎年度、賃金や物価の変動に応じて改定されるでしょう。
でも、それをそのまま反映すると財政がもたないの。
そこで、被保険者の減少と平均余命の伸びを勘案した調整率を差し引いて、伸びを抑えるのがマクロ経済スライドよ。
つまり…物価が上がっても、年金はその分まるっとは上がらないってこと?
率直に言えばそういうこと。
ただし歯止めもあって、調整によって前年度の名目額を下回らないようにされているわ。
次は不服申立て。
被保険者資格・標準報酬・保険給付に関する処分に不服があるときは、社会保険審査官に審査請求、なお不服なら社会保険審査会に再審査請求。
2段階ね。
一方、保険料等の賦課・徴収や滞納処分については、社会保険審査会に直接審査請求する1段階。
給付は2段階、保険料は1段階。
この対比が問われるわ。
時効は? 何年で消えちゃうの?
保険料を徴収する権利、還付を受ける権利は2年。
保険給付を受ける権利は5年。
数字の2と5を取り違えないで。
最後に厚生年金基金について確認させてください。
老齢厚生年金の一部を国に代わって支給する「代行」という仕組みを持つ制度よ。
ただし平成26年4月以降は新設が認められず、確定給付企業年金や確定拠出年金などへの移行が進んでいるの。
今は企業年金の主役がそちらに移っている。
この流れを押さえておけば十分よ。
これで年金2法は終わり。
よくここまで走り抜いたわね。
確認クイズ
厚生年金保険法上の不服申立ておよび時効に関する記述として、正しいものはどれか。
- 保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に審査請求し、その裁決に不服があるときは社会保険審査官に再審査請求をすることができる。
- 被保険者の資格に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に審査請求をし、その決定に不服があるときは社会保険審査会に再審査請求をすることができる。
- 保険料を徴収する権利は、5年を経過したときに時効によって消滅する。
- 保険給付を受ける権利は、2年を経過したときに時効によって消滅する。
こたえを見る
正解: 2. 被保険者の資格に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に審査請求をし、その決定に不服があるときは社会保険審査会に再審査請求をすることができる。
正解は選択肢2。被保険者資格・標準報酬・保険給付に関する処分については、社会保険審査官への審査請求、次いで社会保険審査会への再審査請求という2段階の不服申立てが認められています。選択肢1は審査官と審査会の順序が逆で誤りです。選択肢3は誤りで、保険料を徴収する権利の消滅時効は2年です。選択肢4も誤りで、保険給付を受ける権利の消滅時効は5年です。2年と5年を取り違えないよう注意しましょう。