最後は2つの周辺論点。日ごとに働く人を守る日雇特例被保険者と、処分に不服があるときの争い方、そして時効です。
健康保険法も最終回。
まず日雇特例被保険者。
日々雇い入れられる人や、ごく短期で雇われる人が対象よ。
適用除外のところで出てきた類型ですね。
通常の被保険者にはならない人たち。
でも医療保障がゼロでは困る。
だから別枠の日雇特例被保険者という仕組みがあるの。
保険者は全国健康保険協会よ。
毎日会社が変わるのに、どうやって保険料を集めるの? 無理じゃない?
被保険者手帳を交付して、事業主が働いた日ごとに健康保険印紙を貼り、消印するの。
切手のような仕組みね。
療養の給付を受けるには、初めて給付を受ける日の属する月の前2か月間に通算26日分以上、または前6か月間に通算78日分以上の保険料納付が必要よ。
2か月で26日、6か月で78日。
セットで覚えて。
傷病手当金の扱いは、通常の被保険者と違いますか。
違うわ。
待期3日は同じだけれど、支給期間は6か月。
結核性疾病の場合は1年6か月よ。
通常の被保険者の「通算1年6か月」とは別物だから、混ぜないで。
日雇は6か月、結核なら1年6か月。
表にして並べれば整理できますね。
では最後の論点、不服申立て。
被保険者の資格、標準報酬、または保険給付に関する処分に不服があるときは、まず社会保険審査官に審査請求するの。
その決定になお不服があれば、社会保険審査会に再審査請求。
二段構えね。
……審査官が先で、審査会があと。
人が先で、会があと、って覚えようかな。
いい覚え方ね。
ただし保険料等の賦課・徴収の処分や滞納処分への不服は、いきなり社会保険審査会に審査請求する。
給付は二段、保険料は一段。
ここが最頻出の比較ポイントよ。
審査請求の期間はどうなっていますか。
処分を知った日の翌日から起算して3か月以内。
審査官が3か月以内に決定をしないときは、棄却されたものとみなして次に進めるわ。
また、処分の取消しの訴えは、原則として審査請求に対する決定を経た後でなければ提起できない。
審査請求前置ね。
そして時効。
保険料等を徴収する権利も、保険給付を受ける権利も、いずれも2年で時効消滅。
健康保険は「2年」で統一されているわ。
ここまでが健康保険法。
よく走りきったわね。
確認クイズ
不服申立ておよび時効に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 保険給付に関する処分に不服がある者は、まず社会保険審査会に審査請求をする。
- 保険料の賦課に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に審査請求をする。
- 保険給付を受ける権利は、5年を経過したときは時効によって消滅する。
- 審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に行わなければならない。
こたえを見る
正解: 2. 保険料の賦課に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に審査請求をする。
正しいのは選択肢2。保険料等の賦課・徴収や滞納処分への不服は社会保険審査会に審査請求する(一審制)。選択肢1は誤りで、保険給付の処分はまず社会保険審査官に審査請求し、不服があれば社会保険審査会に再審査請求する(二審制)。選択肢3は誤りで時効は2年。選択肢4も誤りで審査請求期間は3か月以内である。