健康保険法はどんな場面を守る法律で、誰が運営しているのか。制度の入口である「目的」と「保険者」を押さえます。
今日から健康保険法に入ります。
まず質問。
あなたが仕事中にケガをしたら、健康保険を使う?
使う使う! 保険証出すよね?
……ジャスミンさん、そこは引っかけです。
仕事中のケガは労災保険の管轄ですよ。
えーっ! なんで? 同じケガじゃん?
そこが健康保険法の出発点。
第1条は業務災害以外の疾病・負傷・死亡・出産について保険給付を行う、と書いてあるの。
つまり健康保険は「業務外」の守備範囲。
労災との線引きが第1条から始まっているということね。
じゃあ……お休みの日に転んだら健康保険で、お仕事中に転んだら労災……なんだ。
その理解で正解。
加えて、被保険者本人だけでなく被扶養者にも給付が及ぶ。
これも第1条に明記されているわ。
先生、質問があります。
運営している主体は誰になりますか。
国が直接やっているのですか。
いいえ。保険者は2つ。全国健康保険協会と健康保険組合よ。
協会けんぽは主に中小企業。
健康保険組合は、大企業や同業種の企業グループが自前でつくる保険者ね。
自前で作れるの!? 部活で言うと、学校の部じゃなくてクラブチーム作る感じ?
……その喩え、意外と的を射ていますね。
悔しいですが。
設立には人数要件があるの。
単独の事業主なら常時700人以上、複数の事業主が共同で作る総合組合なら合算して常時3,000人以上。
そのうえで被保険者の2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣の認可を受ける。
ここは数字がそのまま問われるわ。
700と3,000……ましろ、覚えました。
いい調子。
国は保険者ではないけれど、協会の運営や組合の認可を通じて全体を監督している。
この役割分担が第1問の土台になります。
確認クイズ
健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 健康保険は、業務上・業務外を問わず労働者の負傷について保険給付を行う。
- 健康保険の保険者は、全国健康保険協会と健康保険組合である。
- 健康保険組合の設立には、被保険者の3分の2以上の同意が必要である。
- 健康保険の保険給付は、被保険者本人に対してのみ行われる。
こたえを見る
正解: 2. 健康保険の保険者は、全国健康保険協会と健康保険組合である。
保険者は全国健康保険協会と健康保険組合の2つなので選択肢2が正しい。選択肢1は誤りで、健康保険は業務災害以外を対象とする(業務上は労災保険)。選択肢3は誤りで、設立の同意要件は被保険者の2分の1以上。選択肢4も誤りで、被扶養者に対する給付(家族療養費など)も行われる。