どの事業所が健康保険に入らなければならないのか。強制適用・任意適用の線引きと、被保険者にならない人の類型を押さえます。
先生、そもそも「健康保険に入る会社」と「入らない会社」があるのですか。
あるわ。
まず強制適用事業所。
法人であれば、業種を問わず、従業員が社長1人だけでも強制適用よ。
個人事業の場合は話が変わって、法定の業種であって、常時5人以上を使用する事業所が強制適用になる。
え、じゃあ個人経営のラーメン屋さんは? バイト10人いても?
鋭いところを突いたわね。
飲食店は法定業種に入っていないの。
だから個人経営の飲食店は、何人雇っていても強制適用にはならない。
マジで!? 10人いてもダメなんだ……
補足すると、農林水産業・飲食店・旅館・理容美容業・宗教業などが非適用業種ですね。
ただし法人であればこれらの業種でも強制適用です。
法人か個人か、を先に見るのが順序として正しいと思います。
その整理が一番安全。
「法人→業種不問で強制」「個人→法定業種かつ常時5人以上なら強制」。
この2段構えで覚えて。
強制じゃない会社は……入りたくても入れないの?
入れるわ。
それが任意適用事業所。
従業員のうち被保険者となるべき者の2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣の認可を受ければ適用事業所になる。
逆に脱退するときは4分の3以上の同意が必要。
入るより抜けるほうが要件が重いのがポイントよ。
2分の1で入って、4分の3で抜ける。
……従業員の保護を厚くしている、ということですね。
みんなの健康を守る側に、傾けてあるんだね。
そう。
そして事業所が適用でも、働く人の側で適用除外になる類型があるの。
日々雇い入れられる人、2か月以内の期間を定めて使用され所定の期間を超える見込みがない人、所在地が一定しない事業所に使用される人。
さらに季節的業務(継続4か月超の予定なら被保険者)、臨時的事業の事業所(継続6か月超の予定なら被保険者)、そして後期高齢者医療の被保険者などね。
季節が4か月、臨時的事業が6か月……こんがらがる〜
「季節は4、臨時は6」と語呂で押さえましょう。
ジャスミンさん、ノート貸しますよ。
確認クイズ
健康保険の適用事業所に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 法人の事業所は、業種を問わず、常時1人でも従業員を使用していれば強制適用事業所となる。
- 個人経営の飲食店は、常時5人以上の従業員を使用していれば強制適用事業所となる。
- 任意適用事業所となるには、被保険者となるべき者の2分の1以上の同意を得て厚生労働大臣の認可を受ける。
- 任意適用事業所の取消しの認可を受けるには、被保険者の4分の3以上の同意が必要である。
こたえを見る
正解: 2. 個人経営の飲食店は、常時5人以上の従業員を使用していれば強制適用事業所となる。
誤っているのは選択肢2。飲食店は法定業種(強制適用となる業種)に含まれていないため、個人経営であれば常時5人以上を使用していても強制適用事業所にはならない(任意適用の道はある)。選択肢1・3・4はいずれも正しい記述である。