誰が厚生年金に入るのか。「事業所が適用されるか」と「その人が被保険者になるか」を分けて考えるのがコツです。
先生、質問があります。
厚生年金は「会社員が入るもの」と大ざっぱに覚えていますが、条文はどう組み立てられているんですか。
2段構えなの。
まず事業所が適用事業所かどうか。
次に、そこで使われている人が被保険者になるかどうか。
この2つを混ぜると必ず混乱するわ。
強制的に適用されるのは2種類。
常時従業員を使用する法人の事業所は、社長1人だけでも適用。
もう1つは個人経営で、常時5人以上の従業員を使用し、かつ法定の業種に当たるものよ。
5人以上! じゃあ4人の個人商店はセーフなんだ?
そのとおり。
個人事業所は業種の縛りもあって、農林水産業や一部のサービス業などは人数を満たしても強制適用にならないの。
うちの実家、和菓子屋さんだけど…お店って入るのかなぁ。
先生、強制適用にならない事業所が自ら入る道もありますよね。任意適用事業所という言葉を見ました。
従業員の2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣の認可を受ければ適用事業所になれるわ。
抜けるときは4分の3以上の同意が必要。
入るのは2分の1、出るのは4分の3。
出るほうが厳しいのがポイントよ。
出るほうが厳しいの、部活の退部届みたい…引き止められるやつだ。
従業員の保護が目的だから、抜けるハードルを高くしているの。
被保険者のほうも見ましょう。
原則は適用事業所に使用される70歳未満の人=当然被保険者。
これに加えて、適用事業所以外で働く人が事業主の同意と大臣の認可を得て入る任意単独被保険者、70歳を過ぎても老齢年金の受給資格を満たせない人が申し出る高齢任意加入被保険者があるわ。
高齢任意加入は、保険料を自分で全額負担するのが原則でしたよね。
事業主が同意すれば折半になる、と。
そのとおり。
あとは経過措置として残る第4種被保険者。
旧法時代の任意継続の名残で、今は新たに発生しないと理解しておけば十分よ。
働いてるのに、入れない人もいるんですか…?
それが適用除外。
日々雇い入れられる人、2か月以内の期間を定めて使う人、4か月以内の季節的業務、6か月以内の臨時的事業などね。
ただし2か月以内の契約でも、最初から2か月を超えて使う見込みがあるなら、当初から被保険者になるわ。
確認クイズ
厚生年金保険の適用事業所・被保険者に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 常時従業員を使用する法人の事業所は、従業員が1人であっても強制適用事業所となる。
- 任意適用事業所となるには、その事業所に使用される者の2分の1以上の同意を得て厚生労働大臣の認可を受ける必要がある。
- 任意適用事業所の取消しの認可を受けるには、その事業所に使用される被保険者の3分の2以上の同意が必要である。
- 高齢任意加入被保険者の保険料は、事業主が同意しない限り、原則として本人が全額負担する。
こたえを見る
正解: 3. 任意適用事業所の取消しの認可を受けるには、その事業所に使用される被保険者の3分の2以上の同意が必要である。
誤っているのは選択肢3。任意適用事業所の取消し(脱退)には、被保険者の4分の3以上の同意と厚生労働大臣の認可が必要であり、3分の2ではありません。加入は2分の1以上、脱退は4分の3以上と、脱退のほうが要件が厳しい点が狙われます。選択肢1・2・4はいずれも正しい記述です。