ここから年金編に入ります。まずは国民年金法が何のためにあるのか、日本の公的年金がどんな形をしているのかを押さえます。
今日から国民年金法よ。
細かい要件に入る前に、地図を配っておくわね。
日本の公的年金は「2階建て」と呼ばれているの。
2階建て? 家の話じゃないよね?
イメージはそう遠くないわ。
1階が全国民に共通する基礎年金、2階が会社員や公務員に上乗せされる厚生年金保険。
その1階の土台を作っているのが国民年金法。
先生、目的条文を確認させてください。
第1条ね。
日本国憲法25条2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを、国民の共同連帯によって防止する——これが目的よ。
ろうれい…しょうがい…しぼう。
うぅ〜ん、3つ並んでる。
そこに気づけたら十分。
だから給付も老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金の3本柱になっているの。
目的条文と給付の種類がきれいに対応しているわ。
「共同連帯」という言葉が条文自体に入っているのが特徴ですね。
個人の貯蓄ではなく、社会全体で支える仕組みだと宣言している。
部活で、先輩の遠征費を後輩もふくめた全員で出し合う感じ?
…ジャスミンちゃん、その喩え、悔しいけど的を射てる。
実際そうなの。
現役世代が払った保険料で今の高齢者の年金を賄う。
これを世代間扶養と言うわ。
じゃあ、加入するのは全員…?
国内に住所を有する20歳以上60歳未満の人は原則全員が被保険者。
これを国民皆年金と呼ぶわ。
管掌するのは政府で、事務は日本年金機構が担っているの。
財源は保険料と国庫負担。
基礎年金の給付に要する費用の2分の1は国庫が負担する——この「2分の1」は絶対に落とせないところ。
確認クイズ
国民年金法に関する記述として正しいものはどれか。
- 国民年金は、被保険者の住所地の市町村が管掌する。
- 基礎年金の給付に要する費用は、その全額を国庫が負担する。
- 国民年金法は、老齢・障害・死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止することを目的とする。
- 国民年金の給付は、老齢基礎年金と遺族基礎年金の2種類である。
こたえを見る
正解: 3. 国民年金法は、老齢・障害・死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止することを目的とする。
正解は選択肢3。法1条の目的規定そのものです。選択肢1は誤りで、国民年金は政府が管掌します(事務は日本年金機構が行う)。選択肢2も誤りで、国庫負担は基礎年金の給付費の2分の1です。選択肢4は障害基礎年金が抜けており、給付は老齢・障害・遺族の3本柱が基本です。