65歳で定額部分が老齢基礎年金に切り替わるとき、なぜか金額が減る。その穴埋めが経過的加算です。
特別支給を受けていた人が65歳になると、定額部分が終わって老齢基礎年金に切り替わる。
ここで不思議なことが起きるの。
定額部分より、老齢基礎年金のほうが少なくなる人がいるのよ。
えーっ! なんで!? 65歳になったのに減るとか、意味わかんない!
…原因は対象期間のズレでは。
老齢基礎年金は20歳以上60歳未満の期間しか反映しませんよね。
つむぎさん、その通りよ。
18歳で就職した人の18歳から20歳までの2年間、そして60歳を過ぎてなお働いた期間。
これらは厚生年金の定額部分には反映されるのに、老齢基礎年金には反映されないの。
…働いたのに、消えちゃう期間があるの…?
消させないための仕組みがあるわ。
それが経過的加算、別名を差額加算というの。
定額部分の額から、老齢基礎年金に反映される分を引いた差額を、65歳以降の老齢厚生年金に上乗せするのよ。
はみ出した分を拾う仕組みですね。
後半は受給開始時期。繰上げは、老齢厚生年金だけを繰り上げることはできましたか。
できないわ。老齢基礎年金と同時に繰り上げなければならない。
セット強制よ。
そして1か月早めるごとに一定率が減額され、その減額は一生続くの。
一生…戻らないんですか。
戻らないわ。
ここは真剣に覚えて。
生涯にわたる減額です。
逆に繰下げは、老齢基礎年金と別々にできますよね。
そこが繰上げとの決定的な違い。
繰下げは基礎と厚生を別々に選べるし、増額率は1か月あたり0.7%、最長75歳まで待てるわ。
つまり最大で84%の増額。
ただし待っている間、加給年金額は支給されないし、増額もされない点に注意して。
うーん、早くもらうか、待つか…完全に賭けじゃん?
だからこそ試験では「制度の中身を正確に知っているか」だけを問うの。
得か損かの話は出ないから、要件と効果に集中しましょう。
確認クイズ
老齢厚生年金の繰上げ・繰下げに関する記述として、正しいものはどれか。
- 老齢厚生年金の繰上げ支給の請求は、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求と同時に行わなければならない。
- 老齢厚生年金の繰下げ支給の申出は、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出と同時に行わなければならない。
- 繰上げによる減額は、65歳に達した時点で解消される。
- 繰下げ待機中も加給年金額は支給され、繰下げにより増額される。
こたえを見る
正解: 1. 老齢厚生年金の繰上げ支給の請求は、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求と同時に行わなければならない。
正解は選択肢1。老齢厚生年金の繰上げは、老齢基礎年金の繰上げと同時に請求しなければなりません。一方、繰下げは基礎と厚生を別々に申し出ることができるため、選択肢2は誤りです。選択肢3も誤りで、繰上げによる減額は生涯にわたって続き、65歳になっても元に戻りません。選択肢4も誤りで、繰下げの待機期間中は加給年金額が支給されず、繰下げによる増額の対象にもなりません。