年金の「家族手当」にあたる加給年金額。そして、それが配偶者へ引き継がれる振替加算。バトンの受け渡しを追います。
先生。
年金って、家族がいる人のほうが多くもらえたりするんですか?
いい問いね。
それが加給年金額。
老齢厚生年金に上乗せされる、年金版の家族手当のようなものよ。
誰にでも付くわけではないですよね。
要件を確認させてください。
3つあるわ。
厚生年金の被保険者期間が240月、つまり20年以上あること。
受給権を取得した当時、その人に生計を維持されている配偶者または子がいること。
そしてその配偶者は65歳未満、子は18歳到達年度の末日まで(1級・2級の障害がある子は20歳未満)であること。
20年! ハードル高っ! 短期間しか働いてない人には付かないんだ。
長く厚生年金に加入した人への手厚い配慮、という位置づけなの。
特別支給の場合は、定額部分が支給されるときだけ加算される点も要注意ね。
…配偶者が65歳になったら、どうなるんですか?
打ち切りよ。
配偶者が65歳になれば、その人自身の老齢基礎年金が始まるでしょう。
だから加給年金額の役目は終わるの。
えっ、いきなり減っちゃうの? かわいそうじゃん…
だから受け皿があるの。
それが振替加算。
打ち切られた加給年金額の代わりに、配偶者本人の老齢基礎年金に加算されるわ。
夫の年金から妻の年金へ、バトンタッチね。
振替加算にも制限はありますか。
永久に続く制度とは思えません。
鋭いわ。
振替加算は経過的な制度で、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた配偶者に限られるの。
昭和41年4月2日以後に生まれた人には振替加算がないわ。
この世代はもう自分で年金を積める、という前提だからよ。
補足すると、配偶者自身が被保険者期間240月以上の老齢厚生年金を受けられる場合は、そもそも加給年金額が支給停止になりますね。
そのとおり。
二重に手厚くはしない、という調整。障害厚生年金の1級・2級にも配偶者の加給年金額はあるけれど、そちらには240月の要件がない点も押さえておいて。
確認クイズ
加給年金額および振替加算に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 老齢厚生年金の加給年金額は、厚生年金保険の被保険者期間が240月以上あることが要件の一つである。
- 配偶者が65歳に達すると加給年金額は加算されなくなり、要件を満たせばその配偶者の老齢基礎年金に振替加算が行われる。
- 振替加算は、昭和41年4月2日以後に生まれた配偶者にも支給される。
- 障害厚生年金の1級・2級に加算される配偶者の加給年金額には、被保険者期間240月以上という要件はない。
こたえを見る
正解: 3. 振替加算は、昭和41年4月2日以後に生まれた配偶者にも支給される。
誤っているのは選択肢3。振替加算は経過的な制度であり、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた配偶者に限られます。昭和41年4月2日以後に生まれた配偶者には振替加算は行われません。選択肢1・2・4はいずれも正しい記述で、特に選択肢4の「障害厚生年金の加給年金額には240月要件がない」という対比は頻出です。