加給年金額と振替加算

240月・生計維持・65歳未満の配偶者。年金の家族手当が、配偶者の基礎年金へバトンタッチされる流れを追います。

編集・検証: 社労士スタディ編集部 公式情報: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター 制作・検証方針

年金の「家族手当」にあたる加給年金額。そして、それが配偶者へ引き継がれる振替加算。バトンの受け渡しを追います。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

先生。
年金って、家族がいる人のほうが多くもらえたりするんですか?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

いい問いね。
それが加給年金額。
老齢厚生年金に上乗せされる、年金版の家族手当のようなものよ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

誰にでも付くわけではないですよね。
要件を確認させてください。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

3つあるわ。
厚生年金の被保険者期間が240月、つまり20年以上あること。

受給権を取得した当時、その人に生計を維持されている配偶者または子がいること。
そしてその配偶者は65歳未満、子は18歳到達年度の末日まで(1級・2級の障害がある子は20歳未満)であること。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

20年! ハードル高っ! 短期間しか働いてない人には付かないんだ。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

長く厚生年金に加入した人への手厚い配慮、という位置づけなの。
特別支給の場合は、定額部分が支給されるときだけ加算される点も要注意ね。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

…配偶者が65歳になったら、どうなるんですか?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

打ち切りよ。
配偶者が65歳になれば、その人自身の老齢基礎年金が始まるでしょう。
だから加給年金額の役目は終わるの。

戸倉 ジャスミン(しょんぼり) 戸倉 ジャスミン

えっ、いきなり減っちゃうの? かわいそうじゃん…

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

だから受け皿があるの。
それが振替加算。
打ち切られた加給年金額の代わりに、配偶者本人の老齢基礎年金に加算されるわ。
夫の年金から妻の年金へ、バトンタッチね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

振替加算にも制限はありますか。
永久に続く制度とは思えません。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

鋭いわ。
振替加算は経過的な制度で、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた配偶者に限られるの。

昭和41年4月2日以後に生まれた人には振替加算がないわ。
この世代はもう自分で年金を積める、という前提だからよ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

補足すると、配偶者自身が被保険者期間240月以上の老齢厚生年金を受けられる場合は、そもそも加給年金額が支給停止になりますね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そのとおり。
二重に手厚くはしない、という調整。障害厚生年金の1級・2級にも配偶者の加給年金額はあるけれど、そちらには240月の要件がない点も押さえておいて。

確認クイズ

加給年金額および振替加算に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 老齢厚生年金の加給年金額は、厚生年金保険の被保険者期間が240月以上あることが要件の一つである。
  2. 配偶者が65歳に達すると加給年金額は加算されなくなり、要件を満たせばその配偶者の老齢基礎年金に振替加算が行われる。
  3. 振替加算は、昭和41年4月2日以後に生まれた配偶者にも支給される。
  4. 障害厚生年金の1級・2級に加算される配偶者の加給年金額には、被保険者期間240月以上という要件はない。
こたえを見る

正解: 3. 振替加算は、昭和41年4月2日以後に生まれた配偶者にも支給される。

誤っているのは選択肢3。振替加算は経過的な制度であり、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた配偶者に限られます。昭和41年4月2日以後に生まれた配偶者には振替加算は行われません。選択肢1・2・4はいずれも正しい記述で、特に選択肢4の「障害厚生年金の加給年金額には240月要件がない」という対比は頻出です。

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