障害厚生年金の支給要件と年金額

初診日に被保険者、300月みなし、そして基礎年金にはない3級と最低保障。障害厚生年金の骨格を固めます。

編集・検証: 社労士スタディ編集部 公式情報: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター 制作・検証方針

障害厚生年金には、障害基礎年金にはない「3級」があります。2階建てが3階建てに見える理由を解きます。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

障害厚生年金の支給要件は3つ。初診日に厚生年金保険の被保険者であること、障害認定日に1級から3級に該当すること、そして保険料納付要件を満たすこと。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

初診日に被保険者であること。
ここが決定的ですね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。
初診日に会社員だったかで2階が出るかが決まる。
退職後に初診日があれば障害厚生年金は出ないわ。
年金科目で最重要の日付のひとつね。

次に障害認定日。
初診日から1年6か月を経過した日、または1年6か月以内に治った日よ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

「治った日」…治ったのに、障害年金が出るの…?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

ましろさん、そこは法律独特の言い方なの。
この「治った」は完治ではなく、これ以上良くも悪くもならない状態=症状固定を指すわ。

3つ目の保険料納付要件は障害基礎年金と共通。
前々月までの被保険者期間のうち、納付済期間と免除期間を合わせて3分の2以上あることね。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

で、いくらもらえるの? 障害基礎年金は1級と2級だったよね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

障害厚生年金には3級があるの。
ここが基礎年金との最大の違いよ。

1級は報酬比例の年金額の1.25倍、2級はそのまま、3級もそのままだけれど最低保障額が付くわ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

3級には障害基礎年金がありませんから、厚生年金だけになりますね。
だから最低保障が要る、ということですか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

つむぎさん、完璧な筋道よ。
3級は2階だけで支える必要があるから、障害基礎年金2級の額の4分の3が最低保障額として定められているの。

雪村 ましろ(しょんぼり) 雪村 ましろ

若いうちに障害を負ったら、働いた期間が短いから年金も少なくなっちゃう…?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そこも手当てされているわ。
被保険者期間が300月未満のときは、300月みなしとして計算するの。

25年働いたものとして扱う。
若くして障害を負った人を守るための、とても大切な規定よ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

加給年金額はどうなりますか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

1級・2級には配偶者の加給年金額が加算されるわ。
老齢と違って240月の要件はないの。
そして3級には加算されない。

子の加算は障害基礎年金の側にあるから、混同しないようにね。

確認クイズ

障害厚生年金に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 障害厚生年金の額の計算において、被保険者期間が300月に満たないときは300月として計算する。
  2. 3級の障害厚生年金には最低保障額が設けられている。
  3. 3級の障害厚生年金にも、生計を維持する65歳未満の配偶者があるときは加給年金額が加算される。
  4. 1級の障害厚生年金の額は、報酬比例の年金額の100分の125に相当する額である。
こたえを見る

正解: 3. 3級の障害厚生年金にも、生計を維持する65歳未満の配偶者があるときは加給年金額が加算される。

誤っているのは選択肢3。配偶者の加給年金額が加算されるのは1級・2級の障害厚生年金であり、3級には加算されません。選択肢1は正しく、300月みなしは短期間で障害を負った人を保護する規定です。選択肢2も正しく、3級は障害基礎年金が併給されないため、障害基礎年金2級の額の4分の3が最低保障額とされています。選択肢4も正しい記述です。

深見つむぎ、戸倉ジャスミンが部室で協力ゲームを楽しむ様子

🔖 この記事の関連書籍

Amazonアソシエイトリンクを含みます。他分野は おすすめ書籍ページ へ。