障害厚生年金には、障害基礎年金にはない「3級」があります。2階建てが3階建てに見える理由を解きます。
障害厚生年金の支給要件は3つ。初診日に厚生年金保険の被保険者であること、障害認定日に1級から3級に該当すること、そして保険料納付要件を満たすこと。
初診日に被保険者であること。
ここが決定的ですね。
そう。
初診日に会社員だったかで2階が出るかが決まる。
退職後に初診日があれば障害厚生年金は出ないわ。
年金科目で最重要の日付のひとつね。
次に障害認定日。
初診日から1年6か月を経過した日、または1年6か月以内に治った日よ。
「治った日」…治ったのに、障害年金が出るの…?
ましろさん、そこは法律独特の言い方なの。
この「治った」は完治ではなく、これ以上良くも悪くもならない状態=症状固定を指すわ。
3つ目の保険料納付要件は障害基礎年金と共通。
前々月までの被保険者期間のうち、納付済期間と免除期間を合わせて3分の2以上あることね。
で、いくらもらえるの? 障害基礎年金は1級と2級だったよね。
障害厚生年金には3級があるの。
ここが基礎年金との最大の違いよ。
1級は報酬比例の年金額の1.25倍、2級はそのまま、3級もそのままだけれど最低保障額が付くわ。
3級には障害基礎年金がありませんから、厚生年金だけになりますね。
だから最低保障が要る、ということですか。
つむぎさん、完璧な筋道よ。
3級は2階だけで支える必要があるから、障害基礎年金2級の額の4分の3が最低保障額として定められているの。
若いうちに障害を負ったら、働いた期間が短いから年金も少なくなっちゃう…?
そこも手当てされているわ。
被保険者期間が300月未満のときは、300月みなしとして計算するの。
25年働いたものとして扱う。
若くして障害を負った人を守るための、とても大切な規定よ。
加給年金額はどうなりますか。
1級・2級には配偶者の加給年金額が加算されるわ。
老齢と違って240月の要件はないの。
そして3級には加算されない。
子の加算は障害基礎年金の側にあるから、混同しないようにね。
確認クイズ
障害厚生年金に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 障害厚生年金の額の計算において、被保険者期間が300月に満たないときは300月として計算する。
- 3級の障害厚生年金には最低保障額が設けられている。
- 3級の障害厚生年金にも、生計を維持する65歳未満の配偶者があるときは加給年金額が加算される。
- 1級の障害厚生年金の額は、報酬比例の年金額の100分の125に相当する額である。
こたえを見る
正解: 3. 3級の障害厚生年金にも、生計を維持する65歳未満の配偶者があるときは加給年金額が加算される。
誤っているのは選択肢3。配偶者の加給年金額が加算されるのは1級・2級の障害厚生年金であり、3級には加算されません。選択肢1は正しく、300月みなしは短期間で障害を負った人を保護する規定です。選択肢2も正しく、3級は障害基礎年金が併給されないため、障害基礎年金2級の額の4分の3が最低保障額とされています。選択肢4も正しい記述です。