遺族基礎年金の支給要件と遺族の範囲(配偶者・子)

子のない配偶者は対象外。死亡者の4パターン、25年という数字、そして「子」の厳密な定義を押さえます。

編集・検証: 社労士スタディ編集部 公式情報: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター 制作・検証方針

遺族基礎年金は「子のある家庭」のための給付です。誰の死亡で支給され、誰が受け取れるのか。範囲の線引きが勝負どころです。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

3本柱の最後、遺族基礎年金。
名前のイメージだけで解くと必ず落とすところよ。

まず誰が亡くなったときに支給されるか。
被保険者が死亡したとき。
被保険者であった人で国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人が死亡したとき。
老齢基礎年金の受給権者が死亡したとき。
そして保険料納付済期間と免除期間を合わせて25年以上ある人が死亡したとき。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

受給資格期間は10年に短縮されたはずですが、ここは25年のままなのですか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そこが引っかけ。
老齢基礎年金の受給権者や長期加入者の死亡による場合は25年以上が必要なの。
10年ではないわ。

そして現役世代の死亡の場合には保険料納付要件が課されるわ。
障害基礎年金と同じ、3分の2要件と直近1年要件の特例ね。
長期加入者の死亡なら納付要件は問われないの。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

…それで、誰が受け取れるの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

死亡当時、その人に生計を維持されていた配偶者または子。
ただし配偶者は「子と生計を同じくする配偶者」に限られるの。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

つまり、子のない配偶者には支給されないという理解で合っていますか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

合っているわ。
子を養育する家庭の生活保障が目的だから、子のいない配偶者は対象外なの。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

…だから「子のある配偶者」って言い方をするんだね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。
そして「子」の定義も厳密よ。
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子、または20歳未満で障害等級1級・2級に該当する子。
しかも現に婚姻していないこと。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

結婚したらもう子じゃないんだ…なんか不思議な感じ。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

婚姻すれば独立して生計を営むと考えるからよ。
なお以前は妻だけの給付だったけれど、平成26年4月から父子家庭にも支給されるようになったわ。

最後に一つ。
配偶者に支給されている間、子の遺族基礎年金は支給停止になる。
二重取りはできないの。

確認クイズ

遺族基礎年金に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 子のない配偶者にも、遺族基礎年金が支給される。
  2. 遺族基礎年金の対象となる子は、18歳に達した日に受給権を失う。
  3. 老齢基礎年金の受給権者が死亡した場合、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間が10年以上あれば遺族基礎年金が支給される。
  4. 被保険者が死亡した場合の遺族基礎年金には、保険料納付要件が課される。
こたえを見る

正解: 4. 被保険者が死亡した場合の遺族基礎年金には、保険料納付要件が課される。

正解は選択肢4。被保険者の死亡(現役世代)の場合は3分の2要件または直近1年要件の特例を満たす必要があります。選択肢1は誤りで、遺族基礎年金は子のある配偶者または子にのみ支給されます。選択肢2も誤りで、子は18歳到達年度の末日までが対象です。選択肢3も誤りで、老齢基礎年金の受給権者の死亡による場合は保険料納付済期間+免除期間が25年以上必要です。

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