ついに給付の話へ。老齢厚生年金は「1か月でももらえる」年金です。その理由を理解しましょう。
今日から給付編。老齢厚生年金の支給要件は3つ。
65歳以上であること、厚生年金保険の被保険者期間を有すること、そして老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること。
2つ目の「期間を有する」って、何年必要なの? 10年?
1か月よ。
1か月!? マジで!? そんなんでもらえるの!?
…ジャスミンさん、落ち着いて。
1か月分の年金額しかもらえないんだから、金額はごくわずかだよ。
つむぎさんの言うとおり。
厚生年金は納めた分に比例するから、期間が短ければ額も小さい。
だから受給資格の敷居を低くできるの。
1階の基礎年金は10年ないともらえないのに、2階は1か月でいいの…?
でもね、ましろさん。
3つ目の要件を見て。
老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること、とあるでしょう。
……あ! 結局、10年ないとダメってことだ!
そこに気づけたら合格ラインよ。
10年は必要。
ただしその10年は、厚生年金だけで埋める必要はないの。
国民年金の納付済期間も免除期間も合算対象期間も、全部足して10年あればいい。
そのうえで厚生年金が1か月でもあれば、2階が出るというわけ。
金額の計算はどうなりますか。報酬比例部分という言葉が出てきます。
骨格は「平均標準報酬額×給付乗率×被保険者期間の月数」。
稼いだ額と働いた長さの掛け算ね。
ただし平成15年4月に総報酬制が導入されて、それ以前と以後で計算式が分かれるの。
え、なんで分かれるの? めんどくさ…
平成15年3月以前は賞与が計算に入っていなかったの。
月給だけで見ていたから、乗率は高めに設定されていたわ。
総報酬制で賞与も含めるようになった以後は、乗率が低くなる。
だから期間を区切って別々に計算して、足し合わせるのよ。
確認クイズ
老齢厚生年金の支給要件に関する記述として、正しいものはどれか。
- 厚生年金保険の被保険者期間が10年以上なければ、老齢厚生年金は支給されない。
- 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていれば、厚生年金保険の被保険者期間が1か月であっても65歳から老齢厚生年金が支給される。
- 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていなくても、厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上あれば老齢厚生年金が支給される。
- 老齢厚生年金の支給を受けるには、厚生年金保険の被保険者期間だけで10年以上を満たす必要がある。
こたえを見る
正解: 2. 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていれば、厚生年金保険の被保険者期間が1か月であっても65歳から老齢厚生年金が支給される。
正解は選択肢2。老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしていることを前提に、厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上あれば65歳から支給されます。選択肢1・4は誤りで、厚生年金の被保険者期間そのものに10年という要件はありません。10年の受給資格期間は国民年金の納付済期間・免除期間・合算対象期間を通算して判定します。選択肢3も誤りで、受給資格期間を満たしていることは必須の要件です。