働き続けて納めた保険料は、いつ年金額に反映されるのか。改定のタイミングを整理します。
先生、疑問があります。
65歳を過ぎても働いて保険料を納め続けたら、その分の年金はいつ増えるのですか。
いい着眼点。
かつては、退職するまで反映されなかったの。
何年働いても、辞めるまで年金額は据え置き。
えっ、それひどくない? 払ってるのに増えないなんて!
そう感じる人が多かったのね。
だから設けられたのが在職定時改定よ。
65歳以上の在職者について、毎年1回、年金額を改定するの。
毎年9月1日を基準日として、その前月までの被保険者期間を算入し、10月分から改定するわ。
9月が基準、10月から反映。
この対で覚えて。
毎年ちょっとずつ増えていくの…働いた実感がありますね。
それがこの制度の狙い。
もちろん辞めたときの退職時改定も残っているわ。
被保険者資格を喪失して、被保険者にならないまま1か月が経過したら、その経過した日の属する月から改定されるの。
1か月待つの? すぐじゃないんだ。
すぐに再就職して被保険者に戻る人もいるでしょう。
本当に抜けたかを見極めるための1か月なのよ。
もう一つ。
雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けながら年金をもらう場合、調整はありますか。
あるわ。
60歳台前半の老齢厚生年金を受けながら雇用継続給付も受けると、二重の給付になってしまう。
そこで在職老齢年金による支給停止に「上乗せ」して、さらに一部が支給停止されるの。
…二段階で止まるってこと?
そのイメージで正しいわ。
まず在職老齢年金の計算で止まり、そのうえで標準報酬月額に一定率を乗じた額がさらに止まる。
この率は雇用継続給付の給付率に連動していて法改正で見直されるから、具体的な率よりも「二段階で調整される」という構造を押さえて。
補足すると、雇用継続給付は雇用保険法の制度で、支給停止をするのは厚生年金保険法の側ですね。
どちらを削るかがポイントだと思います。
つむぎさん、そこは大事な整理。
止まるのは年金のほう。
雇用継続給付は減らないわ。
確認クイズ
在職定時改定および退職時改定に関する記述として、正しいものはどれか。
- 在職定時改定は、毎年9月1日を基準日として、前月までの被保険者期間を算入し、10月分から年金額を改定する。
- 在職定時改定は、60歳以上の在職受給権者すべてを対象とする。
- 退職時改定は、被保険者資格を喪失した日の属する月から直ちに行われる。
- 高年齢雇用継続給付との調整により、高年齢雇用継続給付の額が減額される。
こたえを見る
正解: 1. 在職定時改定は、毎年9月1日を基準日として、前月までの被保険者期間を算入し、10月分から年金額を改定する。
正解は選択肢1。在職定時改定は毎年9月1日を基準日とし、その前月までの被保険者期間を算入して10月分から改定されます。選択肢2は誤りで、在職定時改定の対象は65歳以上の在職受給権者です。選択肢3も誤りで、退職時改定は資格喪失後、被保険者となることなく1か月を経過した日の属する月から行われます。選択肢4も誤りで、調整によって支給停止されるのは老齢厚生年金であり、高年齢雇用継続給付は減額されません。