3級より軽い障害には、一時金の障害手当金。そして障害の程度は変わりうる。動く制度としての障害給付を見ます。
先生。
3級よりも軽い障害だったら…何ももらえないんですか?
ちゃんと受け皿があるわ。障害手当金。
年金ではなく、一時金として一度に支払われるものよ。
一時金! ってことは、毎年もらえるんじゃなくて一回きり?
そう、一回きり。
要件は4つ。
初診日に被保険者であること。
初診日から5年以内に傷病が治っていること。
治った日に3級より軽い一定の障害の状態にあること。
そして保険料納付要件を満たすこと。
「5年以内に治った」という点が特徴的ですね。
障害厚生年金の1年6か月とは別の物差しです。
つむぎさん、そこが決め手。障害認定日は1年6か月、障害手当金は5年以内に治ったこと。
この対比は必ず問われるわ。
額は報酬比例の年金額の2倍。300月みなしも適用されるし、最低保障額も3級の最低保障額の2倍と定められているの。
…2倍。
一時金なのに、けっこう手厚いんですね。
ただし制限もあるの。
障害厚生年金や障害基礎年金の受給権者、他の公的年金の受給権を持つ人、労災の障害補償給付を受けられる人には支給されないわ。
重複を避ける趣旨ですね。
次に、障害の程度が変わった場合を教えてください。
人の状態は固定ではないはずです。
重要な視点よ。
障害が重くなったら額の改定がある。
実施機関が職権で改定することもできるし、受給権者から改定請求もできるわ。
原則は、受給権を取得した日または実施機関の診査を受けた日から1年を経過した後でないと請求できないの。
1年も待つの? 明らかに悪くなってても?
そこは例外があるわ。
障害の程度が明らかに増進したことが確認できる場合は、1年を待たずに請求できるの。
逆に…軽くなったら、年金は取り上げられちゃうんですか。
取り上げではなく、まず支給停止よ。
3級にも該当しなくなったら支給は止まるけれど、受給権そのものは残るの。
だから再び悪化すれば、支給が再開される道がある。
ただし失権する場合もあるわ。
65歳に達し、かつ3級不該当のまま3年が経過したとき。
遅いほうが基準になる点に注意して。
確認クイズ
障害手当金に関する記述として、正しいものはどれか。
- 初診日から起算して1年6か月以内に傷病が治ったことが要件である。
- 初診日から起算して5年を経過する日までの間に傷病が治ったことが要件である。
- 障害手当金の額は、報酬比例の年金額に相当する額である。
- 労災保険法の障害補償給付を受ける権利を有する者にも、障害手当金は支給される。
こたえを見る
正解: 2. 初診日から起算して5年を経過する日までの間に傷病が治ったことが要件である。
正解は選択肢2。障害手当金は、初診日から5年以内に傷病が治り、その治った日に3級より軽い一定の障害の状態にあることが要件です。選択肢1は障害認定日(1年6か月)と混同させる引っかけで誤りです。選択肢3も誤りで、障害手当金の額は報酬比例の年金額の2倍に相当する額です。選択肢4も誤りで、労災保険法の障害補償給付を受ける権利を有する者には障害手当金は支給されません。