自営業者や退職者を支える国民健康保険。保険者は誰か、被用者保険との違いは何か、給付の特徴を健康保険法と対比して押さえます。
健康保険法は会社員の医療保険だったわね。
では自営業の人や退職した人は、どの医療保険に入るのかしら?
えっと…健康保険じゃないなら…国民健康保険?
正解よ、ジャスミンさん。国民健康保険——国保ね。
会社の健康保険に入っていない人を広く受けとめる、地域の医療保険よ。
先生、保険者を確認させてください。
市町村、でよかったでしょうか。
そこは改正で変わったところよ、つむぎさん。
今の保険者は、都道府県と市町村。
都道府県が財政運営の責任主体となって、市町村と共同で運営しているの。
加えて、同種の事業・業務に従事する人で組織する国民健康保険組合もあるわ。
都道府県『と』市町村。
ここは健康保険との対比で狙われそうですね。
そう。
次に被保険者。
国保は、その都道府県の区域内に住所を有する人を被保険者とするの。
ただし、健康保険などの被用者保険の加入者やその被扶養者、後期高齢者医療の被保険者、生活保護を受けている世帯の人などは除かれるわ。
…健康保険と、大きく違うところはあるの?
あるわ、ましろさん。
国保には被扶養者という概念がないの。
健康保険は被保険者本人と被扶養者を分けるけれど、国保は世帯の一人ひとりがそれぞれ被保険者になる。
家族全員が被保険者よ。
へえ〜! 家族もみんな本人扱いなんだ。
そう。
もう一つ、給付の違い。
国保は自営業者が中心だから、原則として傷病手当金や出産手当金は任意給付なの。
会社を休んでも給料が止まるわけではない自営業者には、なじみにくいからね。
療養の給付や高額療養費など、医療そのものの給付は健康保険と共通ですよね。
ええ。
療養の給付、入院時食事療養費、高額療養費、出産育児一時金、葬祭費——医療給付の骨格は共通よ。
違うのは保険者の構成、被扶養者概念の有無、そして傷病手当金・出産手当金が任意給付である点。
この3つが対比の急所ね。
確認クイズ
国民健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 国民健康保険の保険者は、都道府県及び市町村(特別区を含む)並びに国民健康保険組合である。
- 国民健康保険には被扶養者の制度があり、被保険者の被扶養者は保険料を負担しない。
- 傷病手当金は、国民健康保険における法定必須の保険給付である。
- 健康保険の被保険者は、当然に国民健康保険の被保険者にもなる。
こたえを見る
正解: 1. 国民健康保険の保険者は、都道府県及び市町村(特別区を含む)並びに国民健康保険組合である。
正解は選択肢1です。国民健康保険の保険者は、都道府県及び市町村と国民健康保険組合です(都道府県が財政運営の責任主体)。選択肢2は誤りで、国民健康保険には被扶養者の制度がなく、世帯の各人がそれぞれ被保険者となります。選択肢3も誤り。傷病手当金は原則として任意給付であり、法定必須の給付ではありません。選択肢4も誤りで、健康保険など被用者保険の加入者及びその被扶養者は国民健康保険の被保険者から除かれます。