遺族厚生年金の額は「4分の3」。そこに加わる2つの寡婦加算を、年齢の線引きとともに押さえます。
遺族厚生年金の額は、亡くなった人の報酬比例部分の4分の3。
まずこの数字を体に入れて。
4分の3! ってことは、生きてたときの年金より少ないんだ。
…ジャスミンさん、本人の生活費が不要になるぶん、と考えると筋は通るよ。
つむぎさんの説明どおりね。
短期要件なら300月みなしで、長期要件なら実期間で計算するのは前回のとおり。
子どもが何人もいたら…人数分もらえるんですか?
いいえ、そこは分け合うの。
子が複数いれば、遺族厚生年金の額を等分するわ。
人数で増えるのは遺族基礎年金の子の加算のほうよ。
2階は分け合って、1階は増える…ややこしー!
さて、加算の話。
夫を亡くした妻に子がいなければ、遺族基礎年金は出ない。
1階が空っぽになってしまうの。
…それは、心細いですね。
だから中高齢寡婦加算があるの。
夫の死亡当時40歳以上65歳未満で、生計を同じくする子のいない妻に、40歳から65歳になるまで加算されるわ。
額は遺族基礎年金の額の4分の3。
ここでも4分の3が出てくるけれど、対象が違うから区別して。
子がいて遺族基礎年金を受けていた妻が、子の成長で受給権を失った場合はどうなりますか。
その場合も中高齢寡婦加算に移るわ。
「1階が消えたら、2階に加算を乗せる」という発想ね。
ただし長期要件で死亡した場合は、死亡した夫の被保険者期間が20年以上あることが必要よ。
…65歳になったら、その加算はなくなっちゃうんですか。
ええ。
65歳からは妻自身の老齢基礎年金が始まるからね。
ただし古い世代の妻は加入期間が短くて基礎年金が少ないの。
そこで経過的寡婦加算が用意されているわ。
対象は昭和31年4月1日以前に生まれた妻に限られる。
昭和31年4月2日以後に生まれた妻には、経過的寡婦加算はないの。
国民年金に長く加入できた世代だから、その必要がないというわけね。
確認クイズ
中高齢寡婦加算に関する記述として、正しいものはどれか。
- 夫の死亡当時、35歳以上65歳未満であった子のない妻に加算される。
- 夫の死亡当時、40歳以上65歳未満であった子のない妻に、40歳から65歳になるまで加算される。
- 中高齢寡婦加算の額は、遺族基礎年金の額の2分の1に相当する額である。
- 中高齢寡婦加算は、妻が65歳に達した後も引き続き加算される。
こたえを見る
正解: 2. 夫の死亡当時、40歳以上65歳未満であった子のない妻に、40歳から65歳になるまで加算される。
正解は選択肢2。中高齢寡婦加算は、夫の死亡当時40歳以上65歳未満で生計を同じくする子のいない妻などに対し、40歳から65歳になるまで加算されます。選択肢1は年齢を35歳としている点が誤りです。選択肢3も誤りで、額は遺族基礎年金の額の4分の3に相当する額です。選択肢4も誤りで、妻が65歳に達すると中高齢寡婦加算は終了し、要件を満たす一定の生年月日の妻については経過的寡婦加算に切り替わります。