学生納付特例・納付猶予/産前産後期間の保険料免除

所得判定に誰を含めるか、年金額に反映されるか。似て非なる3つの制度を、比較の軸を立てて仕分けます。

編集・検証: 社労士スタディ編集部 公式情報: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター 制作・検証方針

学生納付特例と納付猶予は「猶予」であって免除ではありません。一方、産前産後期間の免除は年金額に満額反映されます。この差が最大の狙い目です。

戸倉 ジャスミン(あせる) 戸倉 ジャスミン

先生! あたし、20歳になったら保険料払うんだよね? でも学生ってお金ないじゃん?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

そのための制度があるわ。学生納付特例よ。
大学・専門学校などの学生で、本人の所得が一定以下なら申請できるの。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

申請免除は本人・配偶者・世帯主の所得で判定しましたが、学生納付特例はどうなりますか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

よく比較したわね。
学生納付特例は本人の所得だけで判定するの。
親の所得は問わない。
ここが決定的な違いよ。

戸倉 ジャスミン(笑い) 戸倉 ジャスミン

よっしゃ! じゃあ親の収入が多くても大丈夫なんだ!

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

似た制度に納付猶予もあるわ。
20歳以上50歳未満の人が対象で、本人と配偶者の所得だけで判定する。
こちらも世帯主の所得は問わないの。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

…でも先生。
「特例」とか「猶予」って、免除とは違う言葉だよね?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

ましろさん、そこが核心。
学生納付特例と納付猶予の期間は、受給資格期間には算入されるけれど、年金額には反映されないの。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

では追納しないと年金額は増えないのですね。
だから追納が重要になる。
10年以内なら遡って納められます。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。
ただし救いもあるわ。
障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件を見るときには、これらの期間は保険料免除期間として扱われる。
だから在学中に事故に遭っても納付要件を満たせるのよ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

…だから、払えなくても「手続きだけはしておく」のが大事なんだね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

その一言に尽きるわ。
もう一つ、性格の違う制度が産前産後期間の保険料免除。
第1号被保険者が出産したとき、出産予定月の前月から4か月間の保険料が免除される。
多胎妊娠なら出産予定月の3か月前から6か月間よ。

この期間は保険料納付済期間として扱われる。
つまり年金額に満額反映されるの。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

マジで!? 払ってないのに満額扱い? そんな免除、他にないよね?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

だからこそ狙われるの。
しかもこの期間中は付加保険料を納付することもできる。
他の免除とは真逆の性格だと覚えておいて。

確認クイズ

保険料の免除・猶予に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 学生納付特例の期間は、追納しなくても老齢基礎年金の額に2分の1が反映される。
  2. 学生納付特例の所得要件は、学生本人のほか世帯主の所得についても判定される。
  3. 産前産後期間として保険料が免除された期間は、保険料納付済期間として老齢基礎年金の額に反映される。
  4. 納付猶予の対象となるのは、20歳以上60歳未満の者である。
こたえを見る

正解: 3. 産前産後期間として保険料が免除された期間は、保険料納付済期間として老齢基礎年金の額に反映される。

正解は選択肢3。産前産後期間の免除は、他の免除と異なり保険料納付済期間として扱われ、年金額に満額反映されます。選択肢1は誤りで、学生納付特例期間は追納しない限り年金額に反映されません(受給資格期間には算入)。選択肢2も誤りで、判定するのは学生本人の所得のみです。選択肢4は誤りで、納付猶予の対象は20歳以上50歳未満の者です。

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