学生納付特例と納付猶予は「猶予」であって免除ではありません。一方、産前産後期間の免除は年金額に満額反映されます。この差が最大の狙い目です。
先生! あたし、20歳になったら保険料払うんだよね? でも学生ってお金ないじゃん?
そのための制度があるわ。学生納付特例よ。
大学・専門学校などの学生で、本人の所得が一定以下なら申請できるの。
申請免除は本人・配偶者・世帯主の所得で判定しましたが、学生納付特例はどうなりますか。
よく比較したわね。
学生納付特例は本人の所得だけで判定するの。
親の所得は問わない。
ここが決定的な違いよ。
よっしゃ! じゃあ親の収入が多くても大丈夫なんだ!
似た制度に納付猶予もあるわ。
20歳以上50歳未満の人が対象で、本人と配偶者の所得だけで判定する。
こちらも世帯主の所得は問わないの。
…でも先生。
「特例」とか「猶予」って、免除とは違う言葉だよね?
ましろさん、そこが核心。
学生納付特例と納付猶予の期間は、受給資格期間には算入されるけれど、年金額には反映されないの。
では追納しないと年金額は増えないのですね。
だから追納が重要になる。
10年以内なら遡って納められます。
そう。
ただし救いもあるわ。
障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件を見るときには、これらの期間は保険料免除期間として扱われる。
だから在学中に事故に遭っても納付要件を満たせるのよ。
…だから、払えなくても「手続きだけはしておく」のが大事なんだね。
その一言に尽きるわ。
もう一つ、性格の違う制度が産前産後期間の保険料免除。
第1号被保険者が出産したとき、出産予定月の前月から4か月間の保険料が免除される。
多胎妊娠なら出産予定月の3か月前から6か月間よ。
この期間は保険料納付済期間として扱われる。
つまり年金額に満額反映されるの。
マジで!? 払ってないのに満額扱い? そんな免除、他にないよね?
だからこそ狙われるの。
しかもこの期間中は付加保険料を納付することもできる。
他の免除とは真逆の性格だと覚えておいて。
確認クイズ
保険料の免除・猶予に関する記述として正しいものはどれか。
- 学生納付特例の期間は、追納しなくても老齢基礎年金の額に2分の1が反映される。
- 学生納付特例の所得要件は、学生本人のほか世帯主の所得についても判定される。
- 産前産後期間として保険料が免除された期間は、保険料納付済期間として老齢基礎年金の額に反映される。
- 納付猶予の対象となるのは、20歳以上60歳未満の者である。
こたえを見る
正解: 3. 産前産後期間として保険料が免除された期間は、保険料納付済期間として老齢基礎年金の額に反映される。
正解は選択肢3。産前産後期間の免除は、他の免除と異なり保険料納付済期間として扱われ、年金額に満額反映されます。選択肢1は誤りで、学生納付特例期間は追納しない限り年金額に反映されません(受給資格期間には算入)。選択肢2も誤りで、判定するのは学生本人の所得のみです。選択肢4は誤りで、納付猶予の対象は20歳以上50歳未満の者です。