保険料は誰がいくら払い、誰が納めるのか。負担義務と納付義務が別人であるという、この法律の要を理解します。
先生、保険料の計算方法を整理させてください。
標準報酬月額に保険料率を乗じる、で合っていますか。
合っているわ。一般保険料額は、標準報酬月額と標準賞与額に一般保険料率を乗じて計算する。
そして40歳以上65歳未満、つまり介護保険第2号被保険者である被保険者には、介護保険料額が上乗せされるの。
40歳から! 介護保険って、そんな若いうちから払うんだ。
その理解でいいわ。
65歳になれば第1号被保険者になって、健康保険からの徴収ではなくなる。
保険料率はどう決まりますか。
協会けんぽは都道府県単位保険料率といって、支部ごとに医療費の実績を反映して決められる。
健康保険組合は規約で定めるわ。
どちらも法定の上限・下限の範囲内で決めるのだけれど、率そのものは毎年度見直されるから、具体的な数値の暗記に労力を割く必要はないわ。
負担割合は労使折半、でよろしいですか。
原則は折半、つまり2分の1ずつ。
ただし健康保険組合は、規約で事業主の負担割合を増やすことができるわ。
減らすことはできない。
そのとおり。
さあ、ここからが今日の核心。
誰が保険料を納付するか。
事業主よ。
被保険者負担分と事業主負担分を合わせて納付する義務を負うの。
被保険者は保険者に直接納めない。
負担する者と納付する者が違う。
これが健康保険料の骨格よ。
だから事業主は、被保険者に支払う報酬から被保険者負担分を控除できる——源泉控除の根拠がここにあるのですね。
そう。
控除できるのは原則として前月分の保険料。
当月分ではないわ。
そして保険料は月単位。
資格取得日の属する月から、資格喪失日の属する月の前月まで徴収されるの。
喪失した月は取られないんだ! ……あ、でも喪失は「翌日」だったよね。
月末に辞めたら翌日は翌月……うわ、1か月分増える!
見事に自力でたどり着いたわね。
月末退職と月末前日退職で保険料が1か月分変わる。
この計算は必ず出ます。
確認クイズ
健康保険の保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 被保険者は、自己の負担する保険料を保険者に直接納付しなければならない。
- 事業主は、被保険者負担分と事業主負担分を合わせて納付する義務を負う。
- 保険料は、資格を取得した日の属する月から、資格を喪失した日の属する月まで徴収される。
- 介護保険料が加算されるのは、65歳以上の被保険者である。
こたえを見る
正解: 2. 事業主は、被保険者負担分と事業主負担分を合わせて納付する義務を負う。
正しいのは選択肢2。保険料の納付義務者は事業主であり、被保険者負担分と事業主負担分を合わせて納付する。選択肢1は誤りで、被保険者が保険者に直接納付するのではない(任意継続被保険者等を除く)。選択肢3は誤りで、徴収は資格喪失日の属する月の「前月」まで。選択肢4も誤りで、介護保険料が加算されるのは40歳以上65歳未満の介護保険第2号被保険者である。