短時間労働者への適用拡大(4分の3基準と特定適用事業所)

原則の4分の3基準と、それを下回る短時間労働者を救う4要件。「かつ」と「または」の引っかけに負けない整理を。

編集・検証: 社労士スタディ編集部 公式情報: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター 制作・検証方針

パート・アルバイトはどこまで健康保険に入るのか。4分の3基準と、それを下回る人に適用される特定適用事業所の要件を学びます。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

先生! あたし、バイトしてる先輩に聞かれたんだけど、パートって健康保険入れるの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

入れる場合があるわ。
原則は4分の3基準。
1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、その事業所の通常の労働者の4分の3以上なら被保険者よ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

時間と日数、両方が4分の3以上——つまり「かつ」ですね。
片方だけでは足りない。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そのとおり。
「かつ」です。
ここを「または」と読ませる引っかけが定番よ。

雪村 ましろ(しょんぼり) 雪村 ましろ

じゃあ……4分の3に届かない人は、絶対に入れないの?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

それが適用拡大の話。
4分の3未満でも、特定適用事業所で働いていて、4つの要件を全部満たせば被保険者になれるの。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

4つ! 数えるね。
……ええと、時間?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

順に言うわね。
1つ目、週の所定労働時間が20時間以上。
2つ目、賃金の月額が8.8万円以上。
3つ目、学生でないこと。
4つ目、雇用期間が2か月を超えて使用される見込みであること。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

20時間・8.8万円・学生でない・2か月超見込み。
……4つとも満たす必要がありますね。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

3つ目って、ましろたちは対象外ってことなんだ。
ちょっと不思議な感じ。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

学生は学業が本分で、別の医療保険で守られている前提があるからね。
ただし夜間学生や通信制などは対象になり得るわ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、特定適用事業所の人数要件はどうなっていますか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

同一の事業主の適用事業所全体で、4分の3基準を満たす被保険者の総数が常時50人を超えることが要件。

この人数は法改正で段階的に引き下げられてきた経緯があるから、直前期に必ず最新の数値を確認してね。

なお人数要件を満たさない事業所でも、労使の合意があれば任意特定適用事業所になれるわ。

戸倉 ジャスミン(笑い) 戸倉 ジャスミン

よっしゃ、覚えた! 20時間・8.8万・学生じゃない・2か月超! リズムで言える!

確認クイズ

短時間労働者に対する健康保険の適用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 1週間の所定労働時間または1か月の所定労働日数のいずれか一方が通常の労働者の4分の3以上であれば、被保険者となる。
  2. 特定適用事業所における短時間労働者の適用要件の一つに、週の所定労働時間が20時間以上であることがある。
  3. 学生(原則)は、他の要件を満たしても特定適用事業所における短時間労働者としての適用対象とならない。
  4. 人数要件を満たさない事業所であっても、労使の合意により任意特定適用事業所となることができる。
こたえを見る

正解: 1. 1週間の所定労働時間または1か月の所定労働日数のいずれか一方が通常の労働者の4分の3以上であれば、被保険者となる。

誤っているのは選択肢1。4分の3基準は、1週の所定労働時間「かつ」1か月の所定労働日数の両方が通常の労働者の4分の3以上であることを要する。「いずれか一方」では足りない。選択肢2・3・4はいずれも正しい記述である。

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