高額療養費・高額介護合算療養費

自己負担に天井を設ける高額療養費。世帯合算・多数回該当・特定疾病の特例という3つの仕組みと、介護との合算を学びます。

編集・検証: 社労士スタディ編集部 公式情報: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター 制作・検証方針

3割負担でも、医療費が高額になれば負担は重くのしかかります。自己負担に天井を設ける高額療養費の考え方を学びます。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

先生、3割って言っても、手術で1,000万円かかったら300万でしょ? そんなの払えないよ!

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

その不安に応えるのが今日の主役。
真剣に聞いてね。
ここは制度の意義そのものが問われるところよ。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

高額療養費。
一部負担金等の額が著しく高額であるとき、政令の定めるところにより支給される給付ね。

つまり、1か月の自己負担に上限——天井を設けているの。
天井を超えた分は、あとから戻ってくる。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

天井……! じゃあ300万も払わなくていいんだ!

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、その上限額はいくらですか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そこは要注意。
自己負担限度額は所得区分ごとに政令で定められていて、改定され得るの。
だから金額そのものを丸暗記するより、所得に応じて段階的に設定されているという構造を押さえて。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

所得が高いほど上限も高い。
……負担能力に応じた設計、という一貫した思想ですね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。
そのうえで、覚えるべき仕組みが3つあるわ。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

1つ目、世帯合算。
同一世帯の複数人の自己負担や、複数の医療機関の自己負担を合算して限度額を判定できる。

2つ目、多数回該当。
直近12か月の間に既に3回高額療養費の支給を受けていれば、4回目からは限度額がさらに引き下げられる。

3つ目、特定疾病の特例。
人工透析を要する慢性腎不全や血友病などは、自己負担限度額が特に低く設定されているの。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

4回目から安くなるんだ! ……長く病気してる人ほど助かるってことね。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

……ずっと治療が続く人のこと、ちゃんと考えてある制度なんだね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、介護保険のほうの負担が重い場合はどうなりますか。
医療と介護が両方かかる家庭もあります。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

だから高額介護合算療養費があるの。
医療保険と介護保険の1年間の自己負担を合算して、著しく高額になったときに支給される。

計算期間は8月1日から翌年7月31日までの1年間。
この期間の切り方も問われるから、押さえておいて。

確認クイズ

高額療養費に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 高額療養費の自己負担限度額は、被保険者の所得にかかわらず一律である。
  2. 多数回該当により自己負担限度額が引き下げられるのは、直近12か月間に3回以上高額療養費の支給を受けた場合の4回目からである。
  3. 高額療養費において、同一世帯の他の者の自己負担額を合算することはできない。
  4. 高額介護合算療養費の計算期間は、毎年4月1日から翌年3月31日までである。
こたえを見る

正解: 2. 多数回該当により自己負担限度額が引き下げられるのは、直近12か月間に3回以上高額療養費の支給を受けた場合の4回目からである。

正しいのは選択肢2。直近12か月に3回支給を受けていれば4回目から限度額が引き下げられる(多数回該当)。選択肢1は誤りで、限度額は所得区分に応じて段階的に定められている。選択肢3は誤りで、世帯合算の仕組みがある。選択肢4も誤りで、高額介護合算療養費の計算期間は8月1日から翌年7月31日までである。

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