保険証を出して診察を受ける——その当たり前の背後にある条文を読みます。給付の中身、一部負担金の割合、そして保険外併用療養費まで。
今日は健康保険の中核、療養の給付。
条文には給付の中身が5つ列挙されているわ。
診察、薬剤または治療材料の支給、処置・手術その他の治療、居宅における療養上の管理と看護、そして病院・診療所への入院と看護——この5つですね。
完璧。
逆に、この列挙に入っていないものが試験の急所よ。
入院時の食事、療養病床の生活療養、そして評価療養や選定療養。
これらは療養の給付には含まれない。
え、入院中のごはんは含まれないの? 治療の一部じゃないの?
自宅にいても食事はするでしょう。
入院しているからといって、食費まで全部保険で見るのは公平でない——そういう考え方から切り出されているの。
……なるほど。
おうちにいても、ごはんは食べるもんね。
では一部負担金。
窓口で払う割合ね。
原則3割。
ここが大原則よ。
年齢による違いがありますね。
義務教育就学前は2割。
70歳以上75歳未満も2割。
ただし現役並み所得者は3割。
そのとおり。
小さい子と高齢者は2割に軽減され、高齢者でも現役並みに稼いでいれば3割に戻る。
負担能力に応じた設計になっているの。
先生、医療機関の側にも要件はありますか。
どこの病院でも保険証が使えるわけではないと聞きました。
保険医療機関・保険薬局として厚生労働大臣の指定を受けた施設に限られるの。
指定の効力は6年で、更新の仕組みがある。
医師個人も保険医として登録が必要よ。
先生……保険がきかない治療を受けたら、全部自己負担になっちゃうの?
原則はそうなるけれど、逃げ道があるの。保険外併用療養費ね。
評価療養、患者申出療養、選定療養——この3つに該当すれば、基礎的な部分は保険外併用療養費として給付され、上乗せ部分だけを自費で払えばいい。
全額自己負担にならずに済むわ。
評価療養・患者申出療養・選定療養。
……3つの名前を確実に言えるようにしておきます。
確認クイズ
療養の給付および一部負担金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 入院時の食事療養は、療養の給付に含まれる。
- 一部負担金の割合は、原則として3割である。
- 70歳以上75歳未満の被保険者であっても、現役並み所得者に該当する場合の一部負担金の割合は3割である。
- 保険医療機関の指定は、厚生労働大臣が行う。
こたえを見る
正解: 1. 入院時の食事療養は、療養の給付に含まれる。
誤っているのは選択肢1。入院時の食事療養は療養の給付には含まれず、入院時食事療養費として別に給付される。選択肢2・3・4はいずれも正しい記述である。