労働経済の読み方① — 労働力調査と完全失業率・有効求人倍率

最新の数値ではなく指標の定義を押さえるのがコツ。労働力人口、完全失業者の3条件、完全失業率と就業率の分母の違い、有効求人倍率を整理します。

編集・検証: 社労士スタディ編集部 公式情報: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター 制作・検証方針

労働経済の統計は、数字を覚えるのではなく指標の定義を押さえるのがコツ。労働力調査の基本用語を分母と分子で正確に理解します。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

労働経済って苦手意識を持つ人が多いけれど、大事なのは指標の定義よ。
最新の数値そのものを暗記する必要はないの。

戸倉 ジャスミン(笑顔) 戸倉 ジャスミン

え、数字覚えなくていいの!? 助かる〜!

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

その代わり、言葉の意味は正確にね。
今日は総務省統計局の労働力調査。
まず15歳以上人口を、働く意思の有無で二つに分けるところから。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

働く意思のある人が労働力人口、意思のない人が非労働力人口、ですね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。
そして労働力人口は、実際に働いている就業者と、働きたいのに仕事に就けていない完全失業者に分かれるの。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

…完全失業者って、どういう人のことなの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

3つの条件を全部満たす人よ。
仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった、仕事があればすぐ就くことができる、そして調査週間中に仕事を探す活動をしていた。
この『求職活動をしている』が肝ね。
探すのをやめた人は非労働力人口になるの。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

探すのをやめたら失業者じゃなくなるんだ…なんか不思議。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

だからこそ定義が大事なの。完全失業率は、完全失業者を労働力人口で割った割合。
15歳以上人口で割るのではないわ。
ここが最頻出の引っかけよ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

分母は労働力人口、と。
就業率とはまた違いますか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

違うわ。就業率は、就業者を15歳以上人口で割った割合。
分母が変わるの。
完全失業率の分母は労働力人口、就業率と労働力人口比率の分母は15歳以上人口——この分母の違いを整理しておいて。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

…求人のほうの指標も、あるんだよね?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

有効求人倍率ね。
これは厚生労働省の職業安定業務統計から。
公共職業安定所——ハローワーク——に申し込まれた有効求人数を、有効求職者数で割ったもの。
1を上回れば求職者より求人が多く、人手不足の傾向を示すわ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

労働力調査は総務省統計局、有効求人倍率は厚生労働省。
調査主体も区別が要りますね。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

そこ、必ず確認して。
統計名と調査主体、そして指標の分母分子——この3点セットで押さえれば、労働経済は怖くないわ。

確認クイズ

労働力調査等における指標に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 完全失業率とは、完全失業者数を15歳以上人口で除して得た割合である。
  2. 完全失業率とは、完全失業者数を労働力人口で除して得た割合である。
  3. 労働力人口とは、15歳以上人口から就業者を除いた人口をいう。
  4. 有効求人倍率は、総務省統計局が実施する労働力調査によって把握される。
こたえを見る

正解: 2. 完全失業率とは、完全失業者数を労働力人口で除して得た割合である。

正解は選択肢2です。完全失業率は完全失業者数を労働力人口で除して求めます。選択肢1は誤りで、分母は15歳以上人口ではなく労働力人口です(15歳以上人口を分母とするのは就業率など)。選択肢3も誤り。労働力人口は就業者と完全失業者の合計であり、15歳以上人口から就業者を除いたものではありません。選択肢4も誤りで、有効求人倍率は厚生労働省の職業安定業務統計に基づく指標です。労働力調査は総務省統計局が実施します。

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