労働経済の統計は、数字を覚えるのではなく指標の定義を押さえるのがコツ。労働力調査の基本用語を分母と分子で正確に理解します。
労働経済って苦手意識を持つ人が多いけれど、大事なのは指標の定義よ。
最新の数値そのものを暗記する必要はないの。
え、数字覚えなくていいの!? 助かる〜!
その代わり、言葉の意味は正確にね。
今日は総務省統計局の労働力調査。
まず15歳以上人口を、働く意思の有無で二つに分けるところから。
働く意思のある人が労働力人口、意思のない人が非労働力人口、ですね。
そう。
そして労働力人口は、実際に働いている就業者と、働きたいのに仕事に就けていない完全失業者に分かれるの。
…完全失業者って、どういう人のことなの?
3つの条件を全部満たす人よ。
仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった、仕事があればすぐ就くことができる、そして調査週間中に仕事を探す活動をしていた。
この『求職活動をしている』が肝ね。
探すのをやめた人は非労働力人口になるの。
探すのをやめたら失業者じゃなくなるんだ…なんか不思議。
だからこそ定義が大事なの。完全失業率は、完全失業者を労働力人口で割った割合。
15歳以上人口で割るのではないわ。
ここが最頻出の引っかけよ。
分母は労働力人口、と。
就業率とはまた違いますか。
違うわ。就業率は、就業者を15歳以上人口で割った割合。
分母が変わるの。
完全失業率の分母は労働力人口、就業率と労働力人口比率の分母は15歳以上人口——この分母の違いを整理しておいて。
…求人のほうの指標も、あるんだよね?
有効求人倍率ね。
これは厚生労働省の職業安定業務統計から。
公共職業安定所——ハローワーク——に申し込まれた有効求人数を、有効求職者数で割ったもの。
1を上回れば求職者より求人が多く、人手不足の傾向を示すわ。
労働力調査は総務省統計局、有効求人倍率は厚生労働省。
調査主体も区別が要りますね。
そこ、必ず確認して。
統計名と調査主体、そして指標の分母分子——この3点セットで押さえれば、労働経済は怖くないわ。
確認クイズ
労働力調査等における指標に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 完全失業率とは、完全失業者数を15歳以上人口で除して得た割合である。
- 完全失業率とは、完全失業者数を労働力人口で除して得た割合である。
- 労働力人口とは、15歳以上人口から就業者を除いた人口をいう。
- 有効求人倍率は、総務省統計局が実施する労働力調査によって把握される。
こたえを見る
正解: 2. 完全失業率とは、完全失業者数を労働力人口で除して得た割合である。
正解は選択肢2です。完全失業率は完全失業者数を労働力人口で除して求めます。選択肢1は誤りで、分母は15歳以上人口ではなく労働力人口です(15歳以上人口を分母とするのは就業率など)。選択肢3も誤り。労働力人口は就業者と完全失業者の合計であり、15歳以上人口から就業者を除いたものではありません。選択肢4も誤りで、有効求人倍率は厚生労働省の職業安定業務統計に基づく指標です。労働力調査は総務省統計局が実施します。