団結権・団体交渉権・団体行動権を支える労働組合法。組合の要件、不当労働行為、労働協約の効力という3つの山を越えます。
先生、労働組合って…みんなで集まればそれで組合になるの?
それが2条の労働組合の要件ね。
労働者が主体となって、自主的に、労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体——ここまでが原則。
でも、ただし書で外されるものがあるの。
使用者の利益代表者が参加しているもの、使用者から経費援助を受けるもの、共済など福利事業のみを目的とするもの、そして主として政治運動・社会運動を目的とするもの、ですね。
経費もらったらダメなの? じゃあ組合の部屋を会社に借りるのもアウト?
そこは例外があるのよ。
最小限の広さの事務所の供与、就業時間中に賃金を失わずに協議・交渉すること、福利厚生基金への寄付——この3つは経費援助にあたらないの。
おお〜! 部室くらいは借りていいってことか。
次が本丸。
7条の不当労働行為よ。
4つ、言えるかしら。
組合員であること等を理由とする不利益取扱いと黄犬契約、正当な理由のない団体交渉の拒否、支配介入および経費援助、そして労働委員会に申立てをしたこと等を理由とする報復的な不利益取扱いです。
完璧ね。
特に黄犬契約——組合に入らないこと、脱退することを雇用条件にするもの——は条文が明文で禁じているわ。
ここは頻出よ。
…じゃあ、話し合って決めたことは、どんな形で残るの?
労働協約ね。
書面に作成して、両当事者が署名または記名押印して初めて効力が生じるの。
口約束では効力ゼロ。
有効期間の上限は3年よ。
そして16条の規範的効力——協約の基準に違反する労働契約の部分は無効になり、その部分は協約の基準によって埋められる。
仕上げが17条の一般的拘束力。
一つの工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上が一つの協約の適用を受けるに至ったときは、残りの同種の労働者にもその協約が及ぶわ。
4分の3…部員24人なら18人か。
数字はしっかり覚えとく!
確認クイズ
労働組合法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 使用者から最小限の広さの事務所の供与を受けていることのみをもって、労働組合法上の労働組合でなくなるわけではない。
- 労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、または記名押印することによってその効力を生ずる。
- 労働協約には3年を超える有効期間の定めをすることができない。
- 労働者が労働組合に加入しないこと、または労働組合から脱退することを雇用条件とすること(いわゆる黄犬契約)は、不当労働行為には当たらない。
こたえを見る
正解: 4. 労働者が労働組合に加入しないこと、または労働組合から脱退することを雇用条件とすること(いわゆる黄犬契約)は、不当労働行為には当たらない。
誤っているのは選択肢4です。黄犬契約は労働組合法7条1号が明文で禁じる不当労働行為にあたります。選択肢1は正しく、最小限の広さの事務所の供与は経費援助にあたらないとされています(2条2号ただし書)。選択肢2も正しく、労働協約は書面性と署名または記名押印が効力要件です(14条)。選択肢3も正しく、有効期間の上限は3年です(15条)。