労使がぶつかったとき、誰がどう間に入るのか。集団紛争の労働関係調整法と、個別紛争のあっせん・労働審判を対比で学びます。
労使が対立して話がまとまらない。
さあ、どうする?
第三者に入ってもらう! 審判みたいな人。
方向は合ってるわ。
労働関係調整法は労働委員会による調整手続を3つ用意しているの。
あっせん、調停、仲裁。
あっせんはあっせん員が話し合いを取り持つだけ、調停は公労使の三者で構成する調停委員会が調停案を作って受諾を勧告する、という理解で合っていますか。
合っているわ。
そして大事なのは、調停案には拘束力がないこと。
当事者は受諾を断れるの。
…じゃあ仲裁は?
仲裁は別物よ。
公益委員だけで構成する仲裁委員会が仲裁裁定を出す。
この裁定は労働協約と同一の効力を持って、当事者を拘束するの。
ここは絶対に落とせないわ。
マジで!? あっせん・調停は断れて、仲裁は断れないんだ。
そう。
もう一つ、公益事業——運輸、郵便や電気通信、水道・電気・ガス、医療・公衆衛生——で争議行為をするには、少なくとも10日前までに労働委員会と厚生労働大臣または都道府県知事に通知しなければならない。
この10日も数字で問われるわ。
先生、ここまでは労働組合と使用者の集団的な紛争ですよね。
個人が会社ともめた場合は?
そこが個別労働関係紛争の世界ね。
都道府県労働局長による助言・指導、そして紛争調整委員会によるあっせん——無料で、簡易・迅速に解決を図る仕組みよ。
裁判所のルートもあるわ。労働審判は地方裁判所で行われて、裁判官である労働審判官1名と、労使から選ばれた労働審判員2名の計3名で構成される労働審判委員会が担当する。
原則3回以内の期日で審理を終えるの。
3回で終わるの、はやいね…。
でも、納得できなかったら?
異議を申し立てれば労働審判は効力を失って、訴えの提起があったものとみなされて訴訟に移行するわ。
『審判が確定して終わり』ではないの。
ここも引っかけよ。
確認クイズ
労使紛争の解決手続に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 労働委員会の仲裁委員会が行った仲裁裁定は、労働協約と同一の効力を有する。
- 労働委員会の調停委員会が作成した調停案は関係当事者を法的に拘束し、これを拒否することはできない。
- 労働審判は、裁判官である労働審判官3名で構成される労働審判委員会が行う。
- 労働審判に対して当事者から適法な異議の申立てがあった場合でも、労働審判はその効力を失わない。
こたえを見る
正解: 1. 労働委員会の仲裁委員会が行った仲裁裁定は、労働協約と同一の効力を有する。
正解は選択肢1です。仲裁裁定は労働協約と同一の効力を有し、当事者を拘束します。選択肢2は誤りで、調停委員会が作成する調停案は受諾を勧告するものにすぎず、当事者は拒否できます。選択肢3も誤り。労働審判委員会は、裁判官である労働審判官1名と、労働関係に関する専門的な知識経験を有する労働審判員2名の計3名で構成されます。選択肢4も誤りで、適法な異議の申立てがあれば労働審判は効力を失い、労働審判事件は訴えの提起があったものとみなされて訴訟に移行します。