採用から退職まで性別による差別を禁じる均等法。直接差別と間接差別の違い、ハラスメント防止措置、母性健康管理まで押さえます。
男女雇用機会均等法。
名前は知っていても、中身は意外と奥が深いのよ。
男と女で差別しちゃダメ! それだけでしょ?
それが5条・6条ね。
募集・採用、配置・昇進・降格・教育訓練、福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職・解雇まで、性別を理由とする差別を禁じている。
しかも今の均等法は、女性だけでなく男性への差別も禁じる両面規制よ。
先生、7条の間接差別というのは、直接差別と何が違うんでしょうか。
間接差別は、一見中立に見える基準が、結果として一方の性に不利益を与えるものね。
募集・採用で身長・体重・体力を要件にすること、募集・採用・昇進・職種変更で転勤に応じられることを要件にすること、昇進で転勤経験を要件にすること——この3つが省令で定められていて、合理的な理由がなければ違法になるの。
身長制限か…確かに、それだと女子が不利になりやすいもんね。
…でも先生、女性だけを優遇するのも、差別にならないの?
ましろさん、いいところに気づいたわ。
8条のポジティブ・アクションよ。
これまでの格差を解消するために女性を優遇する措置は、違法な差別にはあたらない。
是正のための優遇は例外的に認められるの。
妊娠・出産に関する不利益取扱いも禁止されていますよね。
9条ね。
婚姻・妊娠・出産を退職理由とする定めは禁止。
妊娠・出産、産前産後休業の取得等を理由とする解雇その他不利益な取扱いも禁止。
しかも、妊娠中および出産後1年を経過しない女性労働者に対する解雇は、事業主が妊娠等を理由とする解雇でないことを証明しない限り無効よ。
証明できなければ無効…働く側が守られてるんだね。
そう。
そして11条のハラスメント防止措置。
職場におけるセクシュアルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメントについて、事業主は相談体制の整備など雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
これは配慮義務ではなく措置義務よ。
母性健康管理の措置もありますね。
12条・13条ね。
妊産婦が保健指導・健康診査を受けるための時間の確保、そして指導事項を守れるようにするための勤務時間の変更や勤務の軽減などの措置が事業主に義務づけられているわ。
確認クイズ
男女雇用機会均等法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
- 妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、事業主が当該解雇が妊娠等を理由とする解雇でないことを証明したときを除き、無効とする。
- 女性労働者が男性労働者と比較して相対的に不利にならないよう、事業主が女性労働者を優先的に取り扱うことは、いかなる場合も違法な差別的取扱いとして禁止される。
- 事業主は、職場における性的な言動に起因する問題に関し、労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
こたえを見る
正解: 3. 女性労働者が男性労働者と比較して相対的に不利にならないよう、事業主が女性労働者を優先的に取り扱うことは、いかなる場合も違法な差別的取扱いとして禁止される。
誤っているのは選択肢3です。8条は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善するために女性労働者を優遇する措置(ポジティブ・アクション)を、違法な差別的取扱いの例外として認めています。選択肢1は5条の内容で正しく、選択肢2は9条4項の内容で正しく、選択肢4は11条のセクシュアルハラスメント防止のための措置義務で正しい記述です。