会社が倒産したら、働いた分の賃金はどうなるのか。賃確法の未払賃金立替払制度を、要件・範囲・割合で正確に押さえます。
先生。
会社が潰れちゃったら、まだもらってない給料って…消えちゃうの?
そこを救うのが賃金の支払の確保等に関する法律——賃確法よ。
目玉は未払賃金の立替払。
国が事業主に代わって立て替えて払ってくれるの。
よっしゃ、全額もどってくる!
残念、8割よ。
未払賃金の額の8割。
しかも退職日の年齢に応じた限度額まで。
うぅ…全額じゃないのかぁ。
先生、対象になる賃金の範囲を確認させてください。
ボーナスも入るんでしょうか。
入らないわ。
対象は定期賃金と退職手当だけ。
賞与は対象外——これは頻出よ。
しかも、退職日の6か月前の日から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している未払分に限られるの。
つまり、未払いが古すぎても、賞与でも、救われない。
…請求できる人にも、決まりがあるの?
あるわ。
破産手続開始の申立て等がされた日——事実上の倒産なら労働基準監督署長への認定申請の日——その6か月前の日から2年の間に退職した労働者。
そして請求は退職の日の翌日から2年以内。
『6か月前から2年』と『2年以内』、2つの2年を混同しないでね。
倒産にも2種類ありますよね。
裁判所が絡む法律上の倒産と、中小企業について労働基準監督署長が認定する事実上の倒産。
そう。
事実上の倒産の認定は中小企業事業主に限られる点も押さえて。
実際に立替払を行うのは、独立行政法人労働者健康安全機構よ。
…倒れる前に、備えておく仕組みはないのぉ?
ましろさん、それが賃確法のもう一つの柱ね。
社内預金など貯蓄金を管理する事業主には保全措置が義務づけられている。
一方、退職手当の保全措置は努力義務にとどまるの。
義務と努力義務、ここが対比で出るわ。
退職した人への遅延利息もありますね。
退職労働者の未払賃金には、退職日の翌日から年14.6パーセントの遅延利息。
この率は数字で問われるから覚えて。
確認クイズ
未払賃金の立替払制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 立替払の対象となる未払賃金には、定期賃金及び退職手当のほか、賞与も含まれる。
- 立替払される額は、未払賃金の額の全額である。
- 立替払を受けることができるのは、破産手続開始の申立て等がされた日の6か月前の日から2年の間に退職した労働者である。
- 立替払の請求は、退職の日の翌日から6か月以内に行わなければならない。
こたえを見る
正解: 3. 立替払を受けることができるのは、破産手続開始の申立て等がされた日の6か月前の日から2年の間に退職した労働者である。
正解は選択肢3です。立替払の対象となる労働者は、裁判所への破産手続開始の申立て等(事実上の倒産の場合は労働基準監督署長への認定申請)がされた日の6か月前の日から2年の間に退職した者に限られます。選択肢1は誤りで、対象は定期賃金と退職手当であり、賞与は含まれません。選択肢2も誤り。立替払されるのは未払賃金の額の8割で、さらに退職日の年齢に応じた限度額が設けられています。選択肢4も誤りで、請求は退職の日の翌日から2年以内に行う必要があります。