厚生年金は「もらった報酬に比例する」年金。その報酬をどう測るかを決めるのが標準報酬のルールです。
厚生年金は報酬比例。
でも毎月の給料は残業代で上下するでしょう。
そのたびに保険料を計算し直すのは大変よね。
うわ、めんどくさそう…毎月電卓叩くの?
だから報酬を等級に区切って、そこに当てはめるの。
それが標準報酬月額。
等級の幅の中に入れば、同じ額として扱うわ。
身長で「Sサイズ・Mサイズ」って分けるみたいな…?
ましろさん、まさにそれ。
等級には上限と下限があるけれど、上限額は法改正で引き上げられることがあるから、額そのものより仕組みを押さえて。
ボーナスはどう扱うんですか。標準賞与額という言葉がありました。
健康保険は年度の累計で上限を見ましたよね。
支給された賞与額の千円未満を切り捨てた額よ。
厚生年金は1か月あたりの上限で、同じ月に何度も支給されたら合算して判定するの。
健康保険の年度累計とは判定単位が違うから、混同しないでね。
次は決め方。
入社時は資格取得時決定、そして毎年やり直すのが定時決定ね。
7月1日現在の被保険者について、4月・5月・6月の報酬の平均を出す。
それがその年の9月から翌年8月までの標準報酬月額になるの。
…ってことは、4月から6月に残業しまくると、1年間ずっと保険料が高いってこと!?
理屈のうえではそうなるわね。
だから世間で「4月から6月は残業を控えよう」なんて話が出るのよ。
途中で昇給して給料が大きく変わったら、9月まで待つんですか。
それは実態と合わない気がします。
だから随時改定があるの。
固定的賃金が変動して、続く3か月の報酬の平均が今の等級と2等級以上ずれたら、4か月目から改定するわ。
この3か月は、いずれも支払基礎日数が17日以上あることが必要。
育休から戻ってきて、時短で働くようになったら…お給料下がるよね。
それも待たなきゃいけないの?
ましろさん、そこに気づけるのは立派よ。育児休業等終了時改定・産前産後休業終了時改定という仕組みがあって、申出により1等級の差でも改定できるの。
確認クイズ
厚生年金保険の随時改定に関する記述として、正しいものはどれか。
- 固定的賃金の変動がなくても、3か月の報酬の平均が2等級以上変動すれば随時改定が行われる。
- 固定的賃金の変動があり、継続した3か月間の報酬の平均額が従前の標準報酬月額と2等級以上の差を生じ、その3か月とも支払基礎日数が17日以上あるときは、4か月目から改定される。
- 随時改定が行われると、改定は変動があった月にさかのぼって適用される。
- 随時改定は1等級の差が生じた場合にも当然に行われる。
こたえを見る
正解: 2. 固定的賃金の変動があり、継続した3か月間の報酬の平均額が従前の標準報酬月額と2等級以上の差を生じ、その3か月とも支払基礎日数が17日以上あるときは、4か月目から改定される。
正解は選択肢2。随時改定は「固定的賃金の変動」「継続した3か月の平均が2等級以上の差」「3か月とも支払基礎日数17日以上」の3要件をすべて満たしたときに、4か月目から行われます。選択肢1は固定的賃金の変動という要件を欠いており誤り。残業代だけが増減しても随時改定は行われません。選択肢3は誤りで、さかのぼるのではなく4か月目からの改定です。選択肢4も誤りで、随時改定は原則2等級以上の差が必要です(1等級の差で改定できるのは育児休業等終了時改定などの例外)。