定時決定を待たずに標準報酬月額が変わる場面が3つあります。それぞれの要件と、賞与の扱いをまとめて整理します。
先生、年の途中で昇給した場合、翌年9月まで古い標準報酬月額のままなのですか。
いい問いね。
そこで登場するのが随時改定。
要件は3つ、全部満たす必要があるわ。
1つ目、固定的賃金の変動または賃金体系の変更があったこと。
2つ目、変動月から継続した3か月間の報酬の平均から算出した標準報酬月額と、現在の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じたこと。
3つ目、その3か月とも報酬支払の基礎日数が17日以上であること。
2等級以上……1等級じゃダメなんだ?
1等級では改定しません。
小さな変動でいちいち動かさない設計なのでしょう。
そのとおり。
そして「固定的賃金の変動」がスタートラインなの。
残業代が増えただけ——非固定的賃金の変動だけでは、随時改定は始まらない。
マジで!? 残業めっちゃ増えても変わらないんだ!
きっかけは固定的賃金。
ただし、いったん固定的賃金が動けば、3か月の平均には残業代も含めて計算するわ。
そして改定が適用されるのは4か月目から。
ここも落とさないで。
資格取得時はどうなりますか。
まだ実績がありませんが。
資格取得時決定ね。
取得時の報酬額の見込みから決定する。
1月から5月までに取得したならその年の8月まで、6月から12月までに取得したなら翌年の8月まで適用されるわ。
産休や育休のあとは……お給料が下がることもあるよね。
そのときは?
そこは特別扱いよ。
育児休業等終了時改定と産前産後休業終了時改定。
被保険者の申出により、休業終了日の翌日が属する月以後3か月の報酬から改定できるの。
しかも2等級以上の差は不要。
時短勤務で収入が下がった人を守る仕組みだから、要件が緩められているの。
2等級要件が外れる——そこが随時改定との決定的な違いですね。
最後に標準賞与額。
賞与額から1,000円未満を切り捨てた額で、年度の累計額に上限が設けられているわ。
上限額は政令で定められ改定され得るから、最新の数値を確認しておいて。
確認クイズ
標準報酬月額の随時改定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 随時改定は、固定的賃金の変動または賃金体系の変更があったことを要件の一つとする。
- 随時改定には、継続した3か月間の報酬の平均から算出した標準報酬月額と従前のものとの間に1等級以上の差が生じることが必要である。
- 随時改定の対象となる3か月は、いずれの月も報酬支払の基礎となった日数が17日以上でなければならない。
- 育児休業等終了時改定においては、2等級以上の差が生じていることは要件とされていない。
こたえを見る
正解: 2. 随時改定には、継続した3か月間の報酬の平均から算出した標準報酬月額と従前のものとの間に1等級以上の差が生じることが必要である。
誤っているのは選択肢2。随時改定に必要なのは1等級以上ではなく2等級以上の差である。選択肢1・3は随時改定の要件として正しい。選択肢4も正しく、育児休業等終了時改定は被保険者の申出により行われ、2等級以上の差は要件とされていない。